ちくま学芸文庫<br> 増補 女性解放という思想

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ちくま学芸文庫
増補 女性解放という思想

  • 著者名:江原由美子【著】
  • 価格 ¥1,210(本体¥1,100)
  • 筑摩書房(2021/08発売)
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  • ISBN:9784480510426

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内容説明

「女性解放」を論じることはなぜ難しいのか。あるべき解放論を示すのではなく、かつて女性解放の運動と理論が直面した対立や批判、矛盾やその破綻を描くことで、今なお残る困難の数々を深く鋭く明かす論考集。1部には、イデオロギーに根ざす80年代女性解放論への批判と、「性差があるから差別ではない」とする言説の本質的な不当性を喝破した論考を収録。2部では、ウーマンリブ運動の思想史的位置付けと再評価を行い、3部では、フェミニズム運動への「からかい」が、非難や攻撃にもまさる抑圧的効果をもったことを明かした「からかいの政治学」など、メディアにおける女性表象の問題を追求した。今日までの状況を俯瞰する1章を加えた増補版。

目次

はじめに
増補 その後の女性たち──一九八五─二〇二〇年
1 はじめに
2 バブル・バブル崩壊・格差拡大の時代へ
3 一九八五年から二〇二〇年まで、社会はどう変わったか?
4 「より選択が困難」な時代へ
5 「女性解放論の現在」
6 「『差別の論理』とその批判──『差異』は『差別』の根拠ではない」
7 「リブ運動の軌跡」「ウーマンリブとは何だったのか」
8 「からかいの政治学」
9 「『おしん』」「孤独な『舞台』──現代女性とインテリア」

女性解放論の現在
1 序──「セカンド・ステージ」
2 「家庭の重要性」と「男女の分業」
3 女性原理と男性原理
4 イリイチのヴァナキュラー・ジェンダー論批判
5 エコロジカル・フェミニズムの方向性
6 女性解放論における近代主義と反近代主義
「差別の論理」とその批判──「差異」は「差別」の根拠ではない
1 「女性問題」と「性差別」
2 「差別」とは?
3 「差異」と「差別」
4 「排除」としての「差別」
5 「性差別」の次元

リブ運動の軌跡
1 はじめに
2 七〇年代リブ運動小史
3 「文体」の解りにくさ
4 女にとって産むこと産まぬこと
5 「個人的体験の政治化」の矛盾
6 近代主義批判の陥穽
ウーマンリブとは何だったのか
1 誤ったリブ運動観
2 母幻想を超えて
3 〈性の解放〉とは何か
4 自分のことばで語る

からかいの政治学
1 はじめに
2 からかいの構造
3 からかいの機能
4 からかいの呪縛
5 からかいの政治学
「おしん」
1 はじめに
2 テレビに特異な女性像
3 消費の記号扱いの女性
4 貧しさも憧れの対象に
5 テレビに求める現実感
6 幸福を自覚せよと迫る
孤独な「舞台」──現代女性とインテリア
1 住まいへの関心
2 女性のいる空間
3 家族の変化と私的空間
あとがき
増補版あとがき
初出一覧

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

7
すごい本だ…。「『差別の論理』とその批判」と「からかいの政治学」は、女性解放論以外にも適用し得る射程があると思う。2022/01/01

柘植 公人

2
からかいの政治学 のみ2022/11/30

元気!

2
今までよくわかっていなかったエコフェミニズムあたりの理論的背景とその問題点がコンテクストを踏まえて明晰に言語化されていてよかった。また、「からかいの政治学」、「リブの軌跡」が特に読み応えがあった。2022/04/01

令和の殉教者

1
「子どもを「からかう」おとなが、悪意や攻撃の意図を持っていることは稀である。しかし、...(からかいは)子どもを非常に怒らせることがある。なぜならば、それは子ども側の意志を無視して投げかけられるからである。」世界に対して道化的なモードで接している私が、子どもたちの思いを聞き取る仕事をすることに。子どもや子どもと関わる大人の声を聞き、「からかいの政治学」だけは読まなければと紐解いた。論考自体は女性解放運動を念頭に置いたものだが、からかいの持つ権力関係を意識して子どもたちと接さねばならないことを肝に銘じた。2025/04/05

かすみ

1
85年の著者の筆圧の濃さと、リブ運動から一歩引いたところで見つめる冷静な視線の両方を感じた。読みづらいところもあるけど、何回か読めば入ってくる。"女=男以外"という構図である差別を例えば"女=弱い"という特徴に置き換えて正当化。男女平等を盾に、それなら女も兵役に行け、力仕事をやれ、それが平等だろうと叫ぶ声に、うまく論理立てて反論できない。絶対に間違っているということだけはわかるのに、モヤモヤする、そういう気持ちに少し答えをくれた。性差を認めることと差別を認めることはイコールではない。当たり前だ。2025/03/26

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