内容説明
古代から近代まで、日本史はさまざまな争乱・合戦によって彩られてきた。時代の画期となったさまざまな争乱・合戦について取り上げる。
歴史研究は、日進月歩の深化をみせ、かつての「常識」が疑われ、更新されてきている。
本書では、こうした新たな研究の成果を、「教科書には出てこない新説」として紹介したい。紹介をしてくれるのは、まさにその研究の当事者である研究者。その「生」の声を通じて、歴史学の最前線の雰囲気が感じ取れる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
六点
76
こっそりタイトルの後ろに[最新研究]と付いているように、筆者たち以外の「新説」が取り上げられている。短時間で「日本史における戦乱」の新説を某I沢氏よりも先に学ぶことができお得な一冊と言えましょう。「支那事変・大東亜戦争」の章では広田弘毅に対して、「吊るされても仕方ないよね(´・ω・`)」と思ってしまった。千田先生の「中国大返し」に於ける新説は「確かに織田家家臣団が信長用エイドを作らないはずがない」と言う大きな知的感動を得てしまったことであるよ。詳しくは希御一読。2時間もあれば読める位、読み易い本です。2022/05/20
skunk_c
59
ヤマト政権成立時からアジア太平洋戦争までの様々な戦乱を取り上げ、最新研究に基づく説を展開する。全体に読みやすいのだが、批判対象が分からないものもあったのがちょっと残念。ブックガイドはあるが参考文献としてではないし。その中で面白かったのが千田嘉博の2本で、キーワードは「御在所」。秀吉の中国大返しは信長の「御在所」整備がその要因とする説はなるほどと思った。それ以上に驚いたのがレーザーを使った測地測量により、関ヶ原に西軍の大きな本陣があったことを明らかにしたこと。城郭から歴史を読み解く著者の面目躍如だ。2024/04/30
yamatoshiuruhashi
44
表題に赤丸で「新説」、小さく「最新研究」と書かれている。こここそが重要なこと。645年、我々の世代では「大化の改新」として教えられたことだが、それを「乙巳の変」と「大化改新」の二つに分けて考えるという昔のことから、何故、日中戦争が「事変」であったのに全面戦争まで拡大し、さらに近代線史上稀に見る「無条件降伏」を受け入れなければならなくなったかまで、日本史における重要な戦争、戦乱を足早ではあるが、偏りない視点と数々の資料で、新たな分析をしていく。面白かったとしか言いようがない。2024/04/24
金吾
33
○なかなか面白い切り口が多いため楽しみながら読みました。特に川戸貴史さんが経済の視点で書いている応仁の乱、桶狭間の戦いは秀逸だと思いました。また中国大返し、関ヶ原の戦い、日露戦争も良かったです。2023/01/12
サケ太
20
かなりの範囲の日本史の新説に触れられるのが楽しい。個人的に、古代の戦や上野戦争の話が興味深い。2021/09/01