創元推理文庫<br> 開化鉄道探偵 第一〇二列車の謎

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創元推理文庫
開化鉄道探偵 第一〇二列車の謎

  • 著者名:山本巧次【著】
  • 価格 ¥850(本体¥773)
  • 東京創元社(2021/08発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784488439224

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内容説明

明治18年。6年前に逢坂山トンネルの事件を解決した元八丁堀同心の草壁賢吾は、井上勝鉄道局長に呼び出された。大宮駅で何者かによって貨車が脱線させられ、積荷から、謎の千両箱が発見された事件について調査してほしいと。警察は千両箱を、江戸幕府の元要人にして官軍に処刑された、小栗上野介の隠し金と見ているらしい。草壁と相棒・小野寺乙松鉄道技手は荷積みの行われた高崎に向かうが、乗っていた列車が爆弾事件に巻き込まれてしまう。更に高崎では、千両箱を狙う自由民権運動家や没落士族たちが不審な動きを見せる中、ついに殺人が!/解説=西上心太

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

へくとぱすかる

66
いかにも鉄道ミステリな現場見取図に、V.L.ホワイトチャーチのあの作品を連想した人も多いだろう。徳川埋蔵金に小栗上野介という取り合わせに、あの土木番組を思い出した人もいるのでは。明治18年という時代の緊迫感は、鉄道の発達が決して一筋縄ではなかったことを改めて認識させてくれる。また井上局長を通して、作者の鉄道愛が伝わってくるようだ。事件の解明も見事だが、なぜそんなことを、という動機の推理の方が意味深でおもしろい。八丁堀同心の面影よりも、名探偵然としてきた草壁が頼もしく、小野寺の新妻のたくましさも楽しい。2021/08/30

Y.yamabuki

20
鉄道ミステリー。とにかく時代が面白い。徳川の世から近代国家に変わろうとする黎明期。鉄道を全国に広げて国を発展させていこうとする機運がある一方、不穏な空気も漂う。そんな明治18年、開業間もない大宮~高崎間で、自由民権運動家や不平士族を巻き込んで事件は起こる。シリーズ二作目の今作も元八丁堀同心の草壁が鉄道技士の小野寺をを助手に事件を解決する。袴姿の草壁の方が洋装の小野寺より目立ってしまったり、移動は人力車だったりと当時の地方の様子も興味深く、また鉄道の蘊蓄も面白い。次作は何線か楽しみ。2021/09/23

NAOAMI

17
何者かによる脱線事故、積み荷から発見された千両箱。誰が何の目的で?を追う展開。元同心の草壁ホームズと鉄道技手の小野寺ワトソンコンビが謎を追う。自由民権運動の急進派や困窮する没落士族の反乱要素など明治18年頃の歴史的事実を下敷きに、複数勢力の宝探し合戦が楽しくテンポ良く進む。所々に配された気になる点が伏線としてスッキリ謎解きへ収束するのも心地よい。史実とフィクションが絶妙の匙加減でブレンドされリアリティある緊迫感も味わえる。そうか東海道じゃなく初めは中仙道ルートだったのか。時代の先端女子?綾子の存在がよき。2021/08/29

きょん

16
明治18年、上野~前橋を結ぶ日本鉄道で起きた脱線と積荷から現れた千両箱の謎を追う草壁の探偵っぷりが1作目より板についてきた感じ。徳川埋蔵金を巡る警察、自由党崩れ、不平士族たちの三つ巴の争いを仕組んだ役者の正体に驚いたが、政府や薩長に牛耳られる事への地元の反発もあったのかな。小野寺の妻綾子の活躍も楽しいので、続編あったらいいな。2021/09/21

ツバサ

10
ミステリとして、1巻より弱いのと。犯人の目的が安っぽいのが残念でした。小野寺の奥さんは良い具合に場を掻き乱してましたね笑2021/09/28

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