内容説明
あらゆる生物種の遺伝情報を自由自在に操る「ゲノム編集」。IT関連技術とともに、人類の未来を変える技術として注目の的となっている。基礎研究はもとより、医療、農業、畜産など多岐にわたる分野に革命をもたらしている。本書では、ゲノム編集の基礎から応用までをやさしく丁寧に解説する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GX
5
自分で研究するわけではないので、そんなに詳しく知る必要はなのだけれど、あまりにも知らなさ過ぎて、話についていけないので、まずは、第一歩として。これから、さらに数冊基礎的な本を読んで、まずは、基礎作りをします。具体的なところは、いろいろと教えてもらいながら、学んでいきたいと思います。2019/04/21
ねころじ
4
医科生物を思い出した。ざっくり理解するとCRISPR CASなどでゲノムを編集することができると。HIVはCCR5を認識してT細胞に入り込むため、CCR5が発現していない人の骨髄を移植された患者でAIDSが治癒した。がん細胞はPD-1を発現して自己免疫にブレーキをかけるので、オプジーボはPD-1を抑制してがん細胞に自己免疫を働かせるようにする。ざーっくりと理解!2019/04/27
6ちゃん
3
生物学の基礎知識が僅かでも、一からゲノム編集の仕組みが理解できる良書。コロナ以前に書かれているが、PCRの平易な説明もある。ウィルスも細菌も毛嫌いされる存在だが、遺伝子研究には必要不可欠な存在で、むしろ彼らの数十億年磨き上げた技を、人間が掠め取って利用している、という構図であると理解した。まだ細菌の力を大いに利用している状態だが、細胞やタンパク質も自在にデザインし、狙い通りの効果を発揮する技術はまだまだ先になりそうだ。2020/09/18
The pen is mightier than the sword
3
トコトンやさしいとあるが、遺伝子やゲノム編集の具体的イメージがない人にとってはけっこう難しい。本は理解を促すためか、難解な事象を極力単純化したイラストを用いて描いている。初めに遺伝子の説明がある。一読では理解できなかったが何度か読み直すとけっこう理解は進む。興味深いのは、「世界を変えていくゲノム編集の応用」と「ゲノム編集のこれから」である。ゲノム編集で可能な牛の品種改良などは実際に畜産に役立つようである。本では分子レベルの事象のイラストなどがたくさんあり、もよく検討された結果がここで紹介されている。3452019/12/19
おの
3
図書館本。バイオ関連の勉強がマイブーム。この本を読む前に前にCRISPER/Cas9のことを色々調べたけれど、それでもなお全部理解するには程遠い。トコトンやさしいらしいが、文系にはつらし。知れば知るほどもっと知りたくなる。ロマンだな…!2019/06/01