マルペルチュイ: ジャン・レー/ジョン・フランダース怪奇幻想作品集

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マルペルチュイ: ジャン・レー/ジョン・フランダース怪奇幻想作品集

  • ISBN:9784336071422

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内容説明

《ベルギー幻想派の最高峰》
ジャン・レー/ジョン・フランダースの決定版作品集!

現代ゴシック・ファンタジーの最高傑作『マルペルチュイ』待望の新訳に加えて、ほとんどの収録作が初訳となる、幻の本邦初紹介短篇集2冊、枠物語的怪奇譚集『恐怖の輪』とJ・フランダース名義の幻想SF小説集『四次元』を収録。

飽くなき生への歓喜と病的でグロテスクな想像力を混淆させ、幻怪で濃密な文体によって独自の世界を創造した、作者絶頂期の精華を集大成。

***

【収録作】
『マルペルチュイ 不思議な家の物語』
Malpertuis: Histoire d’une maison fantastique
大伯父カッサーヴの奇妙な遺言に従い、莫大な遺産の相続と引き換えに〈マルペルチュイ〉館に住まうこととなった一族の者たち。
幽囚のごとき彼らが享楽と色恋に耽る一方、屋敷の暗闇には奇怪な存在がひそかに蠢き、やがて、住人たちが消える不可解な事件が立て続けに起こる。
一族の若き青年ジャン=ジャックはこの呪われた館を探索し、襲い来る幾重もの怖ろしい出来事の果てに、カッサーヴの末裔たちが抱える驚くべき秘密と真実に辿り着く……
満を持して新訳となる、ジャン・レーの代表作にして、『ゴーメンガースト』『アルゴールの城』に比肩する現代ゴシック・ファンタジーの最高傑作。

『恐怖の輪 リュリュに語る怖いお話』
Les Cercles de l’?~pouvante
中世騎士の義手が引き起こす怪、ディー博士の魔術道具の呪い、怪鳥ヴュルクとの凄絶な戦い……
幾重もの恐怖の輪が環をなす、収録11篇中10篇が本邦初訳の、父が愛娘に語る枠物語的怪奇譚集。

『四次元 幻想物語集』
Vierde Dimensie: fantastiche verhalen
自動人形に宿った死刑囚の魂の怪、顕微鏡の中に現れた小さな老人の化物、奇妙な逃亡呪術を用いる殺人犯を追う刑事……
収録全16篇が本邦初紹介となる、ジョン・フランダース名義のオランダ語怪奇幻想・SF・ミステリ短篇集。

***

装幀:坂野公一(welle design)
装画:ジャン・デルヴィル「メドゥーサ」(1893)
扉画:フェルナン・クノップフ「ブリュージュにて――正門」(1904頃)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

カフカ

58
ジャン・レー名義で出版された「マルペルチュイ」、「恐怖の輪」とジョン・フランダース名義で出版された短篇を収録した怪奇幻想作品集。収録作全てが傑作だった。中でも凄いのはやはり表題作。マルペルチュイ館に住むカッサーヴ伯父に集められた一族たち。伯父が遺した資産を相続するために、死ぬまで館に住み続けなくてはならないという。よくある幽霊屋敷ものかと思いきや、結末は思いもよらぬ展開が待ち受けており驚く。神秘的で壮大な物語に読後、胸が詰まり暫し呆然となった。2023/05/29

内島菫

25
本書の半分近くを占める「マルペルチュイ」は篠田知和基訳でも読んだが、解説にもある通り語りの複雑な構造と隠微な細部や擬態に今回もいい意味で惑わされる。4人の語り手が各々の時代と立場からマルペルチュイという閉じた一つの館の秘密について述べる様は、入れ子状になったマトリョーシカのような箱を次々と開けているつもりが、いつの間にか中から次々と閉じていることにすり替わるような、裏返り包摂し合う世界線を描き出しているかのよう。2021/09/28

Mark.jr

4
ベルギー版のポーといった感じです。2022/06/05

1
ジャン•レイの幽霊の書の復刻を望む。10回以上読み返した本は手放すべきじゃないな。2025/01/20

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