内容説明
港々をつないで広まった日本の民謡のルーツを探る──。江戸時代から明治時代にかけて日本の海運を担い、交易によって繁栄をもたらした北前船。北海道から日本海沿岸各地に寄港しつつ、瀬戸内海から大坂に至る航路上には、さまざまな文化と芸能が花開いた。各寄港地でうたい継がれている唄々の誕生の背景を、詳細な資料と長年の現地調査をもとに、港町を旅する感覚でまとめた一書(著者は、東京国立文化財研究所芸能部長、実践女子大学教授、日本民謡協会理事長などを歴任。広く国内外の伝統芸能の調査研究に従事し、特に伝承学的立場から民俗芸能の研究に努めた)。月刊『第三文明』好評連載の書籍化。
目次
本書の刊行を祝して 石川 好
本書で取り上げた北前船寄港地
第1章 北海道・青森県 編〈江差~深浦〉
第2章 山形県~富山県 編〈酒田~伏木富山港〉
第3章 石川県~福井県 編〈七尾~小浜〉
第4章 島根県~山口県 編〈隠岐~三田尻〉
第5章 広島県~大阪府 編〈尾道~大坂〉
あとがき
索引