内容説明
ラビィ・ヒースフェンは、16歳のある日前世の記憶を取り戻した。今生きているのは、死ぬ前にプレイしていた乙女ゲームの世界。そして自分は、ヒロインのネルラをいじめまくった挙句、ゲームの途中であっさり処刑されてしまう悪役令嬢であることを。
しかし、真の悪役はネルラの方だった。幼い頃にかけられた隷従の魔法によって、ラビィは長年、嫌われ者の「鶏ガラ令嬢」になるよう操られていたのだ。
今ついにその魔法が解け、ラビィは自由の身となった。それをネルラに悟られることなく、処刑の運命を回避するために必要なのは「体力」――起死回生の作戦は、屋敷の厨房に忍び込み、「おかゆ」を作って食べることから始まった。
毎晩おかゆを食べ続け、徐々に回復してきたラビィ。彼女を蔑んできた弟のフェルや、形だけの許嫁である第一皇子のバルド、バルドの命令でラビィの監視をしていたサイなど、周囲の目も変わり始め――!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
桜📕のベルズ
15
今流行している『異世界転生系』のジャンル。ですが、なんだこれは⁉️ と読んで驚きました。悪役令嬢と言われるラヴィと使用人のネルラ。設定を理解するのに時間はかかりましたが、おかゆをキーワードに努力し続ける姿が魅力的でした。個性豊かなキャラクターで、名前の由来が動物を連想させるものになっていたのも、面白かったです。ラヴィの言動や表現に笑った場面もありました。次回作も楽しみです。2021/09/21
すがはら
12
なかなか変わった悪役令嬢物。ヒロインの頑張りと吹っ切れ具合の痛快さが良くて応援したくなります。サイの真面目さとラヴィに好意を持っていく様子が面白い。ただ、聖女の力が呪いの力だったとか、色々と設定が特殊で少々引っ掛かりがあるかな。隷属の魔法は自分より魔力の低い相手にしか使えないから相手の魔力の弱る影の日を狙うつもりらしいけど、その日を過ぎたらまた魔力量が逆転するんだから魔法も解除されるよね。穴開きすぎの計画では?ネルラがあまり頭良くないです。だからラヴィも勝てたんだけどね。2021/12/07
pincle
4
コミカライズから。絵柄はこちらの方が好み。ヒロインが地道に努力するのは好感がもてる。地道に努力しないと死んじゃいそうだけど。2022/09/03
おもち
4
面白かった!!2021/09/28
おぜ
3
前世の記憶を取り戻してみれば、今の自分は首をはねられる悪役令嬢。しかし真の悪役は誰からも愛されるヒロインで、彼女にかけられた「隷従の魔法」に悪行を強制されていた主人公は食事も満足に与えられず自力で逃げ出す体力もない骨と皮だけの身体になっていた。なぜか魔法は解け、屋敷を出た「ヒロイン」の監視も薄らいだものの処刑の運命まであと数カ月。脱出のために体力を付けねばならないがまともな食事を胃が受け付けない。味方の一人もない主人公は、自分で作るおかゆで体力を獲得することから、生き延びるための孤立無援の戦いを開始する。2021/08/28