内容説明
体制に抵抗する者たちの鮮烈な冒険譚
精神病院にやってきた本書の主人公ランドル・パトリック・マックマーフィ。彼の性格は騒々しく、乱暴で、陽気で愛情のあふれる、反逆者である。そして、女好きで人生に前向きな戦士でもある。
看護師長ラチェッドの独裁にうんざりしていたマックマーフィは、ラチェッドに反旗を翻した。周りの患者たちも同意し結集していった。
病院の規律を破り、病棟でのギャンブルを盛り上げ、ひそかに女性たちを連れ込みワインを調達するなど、あらゆる場面で自由に振舞った。
最初は戯れとして始まったこの反抗は、すぐに厳しい闘争へと発展する。絶対的権威を背景とする師長ラチェッドと、自身の不屈の意志に従って行動するマックマーフィ。
ラチェッド師長がマックマーフィに対して究極の攻撃を行ったとき、何が起きたか。物語は衝撃的なクライマックスを迎える。
[原題]ONE FLEW OVER THE CUCKOOS NEST
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
岡本 正行
91
DVDで観た映画もよかった。原作、日本語だけだ負けずにいい本だった。500頁に及ぶ大作では、ある。原作者の意図と映画表現が違うと訴訟まで起こした。1960年では、私はまだ8歳、とても洋画を理解できない。ジャック·ニコルソンのファンだから、勘違いもある。また、いろいろ映画も原作も観て読みたい。2024/04/14
いちろく
25
課題本。一人の男をキッカケに精神病院内で起った患者たちによる蜂起とその後を描いた内容。ラスト付近の展開に唖然としてしまい、初読時も再読時も読了時には呆然として良くも悪くも内容が過ぎ去っていった印象。作中何度も描かれたコンバインやロボトミーというコトバが重い。60年代のアメリカの情勢や文化に詳しければ、より作品にのめり込めた印象もあり悔しい。余談であるが、私も調べた限り国内で3度絶版して都度出版社を変えて3度復刊している。映画好きの人たちに伺うと年代問わず全員観ており名作らしく、復刊のキッカケにも思えた。2023/09/13
OHNO Hiroshi
5
人の命をなんだと思ってるんだ。 1960年代、清掃とか連行とか力仕事は黒人がやらされていた。 語り手、インディアンの血をひく、長身の男。ここでは物を言わず、耳も聞こえないと思わせている。 ある日、マックマーフィが来る。彼は犯罪を起こし、労働をしたくないので気が狂ったと決め込んだ。独裁者の看護師長と対決する。 集団で釣りに行ったり。ビリーが女と寝ているのを、師長は詰(なじ)る。ビリーがショックで自死するが、マックマーフィは師長の首を絞めた。 帰ってきたマックマーフィはロボトミー手術をされていた。2022/04/08
シロクマとーちゃん
4
文章が難解な上に、映画があまりに衝撃的だったので、どうしても、映画のイメージを辿りながら読んでしまう。本当はこういう読み方は良くないんだろうなあ。こっちが原作なんだから。2022/01/13
YOMIPITO
3
体制に馴染めず疎外される弱者といったライ麦畑のようなテーマは好み。 どうやら釣りの場面を除いて映画はほぼ同じストーリーのようだが、良い語り手の設定をどう処理したのか気になる。 映画はしばらくしてからでいいかな。2022/02/22