出版社内容情報
「現地はつねに文献以上の何物かをもっている。しかし問いがなければ、現地は何も答えてくれない」。沖縄・八重山諸島から九州、大和、紀伊、関東、東北…… 日本各地を旅し、森かげや海のほとりに息づく、いにしえから百年千年つづいてきたものを、ひとびとの生き方のうちに見る。個々の事象の羅列では見えない、習俗の背後の全体性を、他界観や宇宙観ごと考えながら、ていねいに掘り起こす。「中央の高級社会だけにあると信じられてきた優雅さや高貴さや幽玄は、すべて庶民の生き方の中にこそある」。「日本の歴史」には載らない、名もなき生者と死者たちの生きた場所から、現在にも連なる精神史をひもとく、谷川民俗学の真髄。
本書の原本は『埋もれた日本地図』(筑摩書房、1972年)です。
【目次】
1 埋もれた日本地図
大王崎紀行
八重山民謡誌
由布島由来記
月夜の愛の歌
関東地方に遺る古代朝鮮の文化
追分宿の女たち
庶民遺文抄
下北半島紀行
獅子島の若者たち
白鳥伝説を訪ねて
霧島山麓のカヤカベ信仰
2 琉球の宇宙観と他界観
太陽の洞窟――琉球の宇宙観
あかるい冥府――琉球の他界観
沖縄の日本兵
内容説明
沖縄・八重山群島から九州、大和、紀伊、関東、東北…各地を旅し、森かげや海のほとりに息づくいにしえからつづいてきたものを、ひとびとの生き方のうちに見る。習俗の背後でひとを支配する論理を、他界観や宇宙観ごと考える。「日本の歴史」には載らない、名もなき生者と死者たちから、現在にも連なる精神史をひもとく、谷川民俗学の真髄。
目次
1 埋もれた日本地図(大王崎紀行;八重山民謡誌;由布島由来記;月夜の愛の歌;関東地方に遺る古代朝鮮の文化;追分宿の女たち;庶民遺文抄;下北半島紀行;獅子島の若者たち;白鳥伝説を訪ねて;霧島山麓のカヤカベ信仰)
2 琉球の宇宙観と他界観(太陽の洞窟―琉球の宇宙観;あかるい冥府―琉球の他界観;沖縄の日本兵)
著者等紹介
谷川健一[タニガワケンイチ]
1921‐2013年。熊本県生まれ。民俗学者、文筆家、歌人。東京帝国大学文学部卒業。平凡社で雑誌『太陽』創刊編集長を務めたのち、文筆活動にはいる。日本地名研究所初代所長。文化功労者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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