光文社新書<br> 「日本型格差社会」からの脱却

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光文社新書
「日本型格差社会」からの脱却

  • 著者名:岩田規久男
  • 価格 ¥1,078(本体¥980)
  • 光文社(2021/07発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784334045500

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内容説明

1990年代以降、日本で広がる格差。非正規社員の増加は賃金格差を、年金制度は最大6000万円超の世代間格差を招き、高齢者の社会保障に偏った所得再分配政策は現役世代の格差是正にほとんど寄与していない。そして、こうした格差はすべて他国では類のない長期デフレに起因し、その意味で「日本型格差」とも言える特徴的な格差である。では、これらの格差を縮小するにはどうすればいいのか。前日銀副総裁の著者が具体的な政策を提言!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Daisuke Oyamada

32
1990年代以降、日本では格差が広がり続けているという。非正規社員の増加は賃金格差を招き、その子供世代の格差にも影響し始めている。  受給額が下がる一方の年金制度は、世代だけのみならずそれを引き継ぐ、子供や孫の世代へも波状していく。  こうした格差のすべては、戦後、世界で日本しか経験していない長期デフレが根本にあるという。他国とは異なるどころか、世界で誰も経験したことのない「日本型格差」・・・ https://190dai.com/2024/02/09/「日本型格差社会」からの脱却-岩田規久男/2024/02/11

紫の煙

16
日本の格差拡大の根本的原因は、90年代以降の長期デフレを招いた日銀の金融政策にある。デフレスパイラルを取り除かないといけないと気付いた政治家が、2012年にやっと現れた。安倍晋三である。デービッド・アトキンソンと自称リベラル政党を批判。などなど、面白い部分もあったが、概ね著者の意見に賛成である。アベノミクス礼賛だけでなく、所得分配政策を考え直さないといけない。2022/01/18

小鳥遊 和

14
カッコ付きで日本型と言うのは特有の長期デフレが生み出した格差だから。加えて所得再分配効果の小さい税制・年金制度が格差を固定化した(” 年金受給額の「世代間格差は6000万円」 “ でWeb検索して読める本書要約を参照)。アトキンソンの「人口減でデフレ」も、「最低賃金引き上げで労働生産性UP」も誤り。正しいマクロ経済政策は中小企業保護廃止と正社員整理解雇の規制廃止、就職氷河期世代への就業支援、働かない限り健康保険・年金保険に加入できないスウェーデン方式で女性の労働参加率を高めること。学説に忠実なのが良い。2025/05/30

まゆまゆ

13
日本の格差問題は、ジニ係数だけ見ていては捉えられない。根本的原因はデフレによる長期経済停滞であり、解決の第一歩は一人あたりの生産性の向上、すなわち一人あたりのGDPの引き上げである、と語る内容。自身の日銀副総裁就任前の政策を批判しつつ、インフレ未達成は消費税増税のため、としているのはちょっと残念。同一労働同一賃金達成のための労働規制緩和や年金積立方式、ベーシックインカムといった解決策に特に真新しさはないので再確認といったところ。2021/09/06

shimashimaon

7
谷本真由美氏の「日本は適切に弱者を保護できていない」との主張がずっと気になっています。所得再分配策としての税制は確かに不公平であることがわかりました。労働、保育、年金等の社会保障政策については、本書よりもそれぞれの専門家に教授を求めたい。宮崎市定『中国史』を読んで、貨幣と物価の現象は遠く古代からあり、財政の予算化は北宋時代の画期だと知りました。MMT理論をみても政策論に歴史の視点は欠かせないように思います。日銀副総裁の経験からなのか、肌で感じた政治というか、雰囲気がよく伝わります。変革の実現は甚だ困難。2021/11/27

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