内容説明
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小さな宝石のような美しい姿で、一途に野生動物の糞を運び、食べ、糞の中で一生を終える森の掃除屋こと糞虫(ふんちゅう)。故郷奈良で糞虫に一目ぼれ、「フン虫王子」こと中村圭一さんは、50代でついに脱サラして専門博物館「ならまち糞虫館」をオープン。糞虫初心者から上級者までわかりやすく読める図鑑と、超個性的な著者の姿と歩みが楽しめる一冊。環境配慮書籍(FSC、グリーンプリンティング、植物性インキ使用)。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
99
糞虫と聞かされると皆眉をひそめるに違いない。糞を食べてほぼ一生繁殖活動を繰り返す。しかしそんな糞虫が林や森の生態系の一部として重要なしくみとなっている。この本で様々な糞虫を紹介している。なかには殆ど見つからなくなったレアnものもいる。そして糞虫はどれもメタリックは体色だ。私も海岸で見たことがあるが陽光を受けるとキラキラと光る。糞のあるところどこにでもいるということだ。著者は糞虫を捕まえるにはトラップが効果的ということだ。糞虫なんて言わずに読むことをおすすめする。図書館本2021/08/25
たまきら
34
うわあ、たのしい~!ファーブル昆虫記が大好きだった自分。奈良公園と聞いて「あっ!シカの糞か!」と。知らないことだらけで大興奮でした。けれども牛糞の駆虫剤や犬猫のうんちマナーがかれらの受難につながっているとは…。「ここはうんちし放題です」コーナーを用意してあげたくなりました。この人の博物館、行ってみた~い!2021/07/28
つちのこ
28
表紙の写真はルリセンチコガネ。マニアなら誰もが知っている垂涎モノ。輝く一粒の宝石のようなこの虫は奈良公園のシカの糞に集まる糞虫である。1200頭のシカがいる奈良公園では毎日1トンの糞が生産され、糞虫たちがせっせとそれを食べて分解する食物連鎖がある。アフリカの草原でもニュージーランドの牧場でも同様。糞虫がいなければ動物の糞だらけになってしまうからその役割は大きい。糞虫に魅せられた著者は、脱サラして奈良に糞虫専門の博物館を造るまでの熱の入れよう。美しく奇抜な虫たちの図鑑を眺めればその心意気が伝わると思う。2021/11/10
遠い日
9
糞虫がいなかったら、世界は大変なことになってしまうんだからね!甲虫類はやっぱりメタリックな色に惹かれるのだけれど、ゴツゴツした戦車みたいなフォルムもいいなぁ。「ならまち糞虫館」、知らなかったけれどすぐそこだ!行ってみたいなぁ、コロナさえなければ!2021/08/25
yamakujira
9
糞虫愛にあふれる糞虫ガイド本。第1章は「糞虫ってどんな虫?」と題して、Q&Aで糞虫について教えてくれる。第2章「たくましくて美しい糞虫図鑑」は、日本や海外の糞虫をカラー写真で見せてくれる。第3章「糞虫館とフィールドワーク」は、私費で開設した糞虫館の案内、奈良公園での糞虫観察ガイド、糞虫を研究する大学生との対談など、糞虫熱を伝えてくれる。日本の糞虫約160種のうち36種のみの掲載だから図鑑としては物足りないけれど、入門書としては十分だね。駆虫剤が含まれた糞は、糞虫を拒んでも分解されるのかな。 (★★★☆☆)2021/08/14