内容説明
高校二年生の枇々木天音(ひびき・あまね)は、和歌を介して言葉の力を「現実化」させ、町の神社に持ち込まれる妖(あやかし)がらみのトラブルを解決する「言霊師(ことだまし)」。
ある日、天音は自分が現実にした「言葉の力」をひっくり返す能力を持った、相性最悪の妖と出会う。
その妖とは、銀髪・若葉色の目を持ち、胡散くさい関西弁を操る、
美しい「天邪鬼」だった――。
正反対の資質を持った、人と妖の凸凹バディが贈る
《やまとうた》ファンタジー!!
百人一首などでおなじみの和歌も満載!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kei302
60
まさかの設定。和歌の言葉の力でもって相手を返り討ちに。私も、天音みたいに、使い勝手のいい和歌をいくつか暗記して、ここぞ! という場面で使ってみたい、って、それはどんなとき? NetGalleyJP2021/08/21
ゆのん
56
言葉を操る力を持つ『言霊師』と妖の物語。和歌を巧みに使い人では無いものと戦う中、強い力を持つ妖と出会う。段々と妖に心を開き、大切な存在になっていく言霊師・天音。それは天音が最も恐れる気持ちだった。2人のお互いを必要とし、大切に思う気持ちが切ない。そして何と言ってもこの妖・千歳が何と言ってもめちゃくちゃ可愛い。祖父である神主や、従兄弟の庵、クラスメイト達など、どのキャラクターも好感が持てる。普段、『言葉』を普通に使っているが『言葉』の持つ力は時に人を傷付けてしまう事もある。言葉のチョイスには気を付けたい。2021/06/15
瀧ながれ
16
和歌を魔法の呪文のように使うという設定は、わたしも昔考えたことがあるのだけど、この作品ではその上にもう一つひねりを加えてあって、おもしろい効果を発揮していた。終盤になって、実は、と明らかになる設定があるけど、そこまでの描写からの説得力が感じられなかったのは残念でした。「嘘」の範囲がはっきりしないからかなあ。本人の認識次第ということなのだろうか。2021/08/22
一五
9
和歌を唱え言霊の力で退魔。まだ自分の力を扱いきれてない男子高校生。登場する相棒は相性最悪の“神?” 思ったより愉しかった。2022/09/23
桜
8
かなり主人公と天邪鬼のいちゃラブが大きな要素としてあったと思うけれど、主人公の素直になれない気持ちや、自分の持つ力の恐ろしさ、周りからの憧れなどがリアルであるとも思った。私は口が悪い方なので、このお話を通して、言葉の重みを改めて知ることができた。自分の発する言葉が、どのような意味であるかもよくよく考えて発言しようと思う。2024/09/02