内容説明
霞が関のトップエリートが集う財務省。そこでは「ワル」と言えば、いわゆる「悪人」ではなく、「やり手」という一種の尊称になる。しかし、事務次官のセクハラ、国税庁長官の公文書改ざんなどで、“省庁の中の省庁”に巣くうワル文化はもはや崩壊待ったなしだ。求められてきた「勉強もできるが、遊びも人並み以上にできる」タイプとは? 出世の条件とは?――当代一の財務省通が「ワル」たちの内幕を明かす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Sam
48
内容は帯に書いてある通り。昔からある大蔵省本と大差なし(たぶん)。それよりも、財務省に限らず日本の官僚制度がこれ以上もたないことがわかってきている中でどう制度設計し直すべきかという問いへの答えを論じて欲しかった。どこかの識者が言ってたように人数を半分にして給料を倍にすべきか?米国流の「リボルビングドア」(人材が官民を行ったり来たりすること)には一言触れられているが日本で普及するかどうかは未知数であろう。2021/08/17
さきん
32
著者は財務省人事マニアで、意外にも浪人や留年が多いことや、灘、麻布出身が少なく、開成出身が多いこと、席次は一番以外で、旧制高校や東大の寮のバンカラな気風を引っ張っていることを指摘。度々の不祥事を生む文化をワルと形容する。MMTを肯定的ではないものの否定的でもなく、紹介してくれたことに驚き。女性や非東大出身も増えてきていて、また文化も変わっていくのではと締めくくり。2021/09/14
drago @GW車中泊旅行計画中。
28
日本のトップ頭脳である財務官僚の武勇伝を期待したが、それほどでもなかったなぁ…。 ◆それよりも、「現代貨幣理論(MMT)」⇒自国通貨建てで国債を発行する限り、財政破たんは怒らない…というセオリーと、財政規律を重んじる財務省哲学との対比が興味深かった。 ◆国と地方自治体の借金は合計で1,200兆円。国内GDPの2年分。 財政破綻を起こさずに、果たしてこのコロナ危機を乗り越えられるのだろうか…。 ☆☆2021/10/20
金吾
19
ワルを尊ぶ雰囲気はよく理解できます。背景には庇護された集団における児戯であり、真のワルにはなりえないと思います。なので想像できる逆境には強く、想像できない話には言い訳をして対処できないと思います。2023/12/12
キクマル
16
なかなか面白い新書でした。自分が警備をしている銀行には財務省出身者も居ますので、勉強になりました^_^2022/02/21