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内容説明
先の大戦の日本の敗北は、強大な国力を誇るアメリカとの開戦を決断した時点で、半ば決まっていたといえる。自国にとって「都合のいい情報」だけを採用し、確たる長期戦のプランを立てずに対米英戦を始めたのは、日本の陸軍、海軍が組織として「硬直化」していた証である。最初から「現場任せ」の無謀な作戦が幾度も計画され、個々の戦闘に敗北しても、敗因に対する研究や改善案の実行が不十分であった。参謀や指揮官が責任を取る例も珍しく、年功序列による温情主義的な人事が最後までまかり通っていた。日露戦争でその名を世界に轟かせた日本の陸海軍は、太平洋戦争においては、なぜ理性的な判断ができず、非合理な失策を繰り返したのか。なぜ、自ら過ちを反省し、正すことができなかったのか。極度の同質集団であった日本陸海軍が陥った錯誤から、現代の我々が学ぶべき「失敗の本質」とは。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
skunk_c
68
雑誌『歴史街道』などに掲載された記事を集めたもの。保阪正康、大木毅、戸髙一成などそうそうたる筆者が名を連ねているが、内容は雑誌記事らしい読みやすいが詰めの甘いものが多かった。間違いもあり(雷撃機TBFアベンジャーを急降下爆撃機としたり)、評価の怪しい文(ミッドウェー海戦で夜間帰着になるため着艦困難となるアメリカ雷撃隊の出撃を日本の特攻と同様と評価しているが、アメリカがパイロットの救出に全力を尽くすという事実を忘れたもの)もある。戸髙氏は大和ミュージアムの館長のためか、大和に対する評価が大甘な印象。2021/10/28
さきん
18
反薩長の対応策が能力主義だったが、その能力主義が事務能力、学校の成績に大きく依拠していたことが多いし、反薩長であることが逆にステータスになってしまった感はある。そして今の日本にも言えることだが、国民が根本的に大衆であることに安住しているので、政治の腐敗もどうしようもないし、そこで軍部が景気良い話をぶちこめば、一気のその支持に回ってしまう。どこかを占領したとか撃破したとかはオリンピックのメダルのようにわかりやすい。頑張っている本人は応援するが。2021/08/20
CTC
14
7月のPHP新書新刊。ホントこの手のタイトルの本は玉石混交なのだが…保阪さん、戸髙さん、大木毅さんとくれば手も出したくなる。本書は『歴史街道』『Voice』(ともにPHP研究所刊行の月刊誌。ガ島を題材にした早坂氏の章以外は全て前者のコンテンツ)のコラムを纏めた15章。なんだろうなぁ…『歴史街道』あたりのメイン題材は戦国や幕末で、読者も創作・想像が入る事に慣れているのだろう。非常に読みやすい平易なテキストの中に興味深い話もなくはないが、出典根拠は不明だからなんともね。2021/10/19
文太
6
日本陸海軍の失敗について書かれた本。太平洋戦争の1つの戦闘や作戦、人物だけではない。明治、大正から受け継がれたもの、逆に受け継がれなかったもの。それが大きな失敗に繋がり、悲惨な戦争にも繋がった。全ての歴史は繋がっていることを改めて認識した。2021/09/14
りんご
3
同調圧力の怖さもうかがえる。精神至上主義だけではよい結果はでないのでしょう。戦争について、冷静な分析が必要だと思います2022/12/14
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