内容説明
中国ではデジタル技術の開発と社会への実装が猛スピードで進んでいる。2020年11月に公表された35年までのビジョンの中で、重要な位置を占めたのがデジタル化の施策だった。行政サービスのデジタル化はもちろん、「全国民のデジタル技能を引き上げ、情報サービスのカバレッジを完全なものにする」とも明記されている。インターネットをうまく活用して急速に発展した国として注目されている。一方で、情報統制や監視強化といった政治的なイメージもあるが、その成果については社会環境やビジネスモデルなど、さまざまな「中国式」を学ぶことで、日本のデジタル化や競争力強化にも役立つ点はあるはずだ。デジタル大国・中国のリアルを探っていこう。
本誌は『週刊東洋経済』2020年11月21日号掲載の29ページ分を電子化したものです。情報は底本編集当時のものです。
目次
猛スピードで進む中国のデジタル化
アリババが拓くローエンド市場
14億人の内需を狙うジャック・マー
人工衛星の観測データで中国の農村金融を改革
ビッグデータ活用で工場のサプライチェーン革命
王者アリババを脅かす新興勢力
中国のデジタル化を象徴する8つの数字
INTERVIEW パナソニック専務 中国・北東アジア社 社長・本間哲朗
「アジアの国々に中国のスマート社会が広がろうとしている」
デジタル最前線で競う日本企業
中国テックと連携「3つの秘訣」
「中国100強」最新ランキング
アント「3兆円上場延期」の舞台裏
中国「新常態」のリアル
健康QRコードと“村社会”
デジタル人民元の未来
中国軍はAIで「制脳権」を狙う
加速する新興国のDX
【特別対談】デジタル中国への期待と不安
神戸大学教授・梶谷 懐
アジア・パシフィック・イニシアティブ シニアフェロー・徳地立人