岩波新書<br> 時代を撃つノンフィクション100

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岩波新書
時代を撃つノンフィクション100

  • 著者名:佐高信
  • 価格 ¥902(本体¥820)
  • 岩波書店(2021/07発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004318736

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内容説明

ノンフィクションは,ひろく市民リテラシーを生み出すジャンルとして,戦後日本社会に貢献した.社会を見つめる眼を養い,いま自分たちはどのような時代にいるのか,状況への問いかけを発する精神を鍛えてきた.古典的名著から,二〇一〇年代の作品まで,時代を撃ち続ける一〇〇冊を選び抜いたブックガイド.

目次

1 現代に向き合う┴【格差社会】┴1『無知の涙』(永山則夫 著)┴2『鬼畜』(西村望 著)┴3『ホームレス歌人のいた冬』(三山喬 著)┴4『村の女は眠れない』(草野比佐男 著)┴5『復讐するは我にあり』(佐木隆三 著)┴6『自動車絶望工場』(鎌田慧 著)┴7『生き地獄天国』(雨宮処凜 著)┴【経済の深層】┴8『お笑い大蔵省極秘情報』(テリー伊藤 著)┴9『異色官僚』(佐橋滋 著)┴10『会長はなぜ自殺したか』(読売社会部清武班 著)┴11『住友銀行秘史』(國重惇史 著)┴12『電通の深層』(大下英治 著)┴13『共生の大地』(内橋克人 著)┴14『竹中平蔵 市場と権力』(佐々木実 著)┴15『松下幸之助の昭和史』(立石泰則 著)┴16『ルワンダ中央銀行総裁日記』(服部正也 著)┴17『グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた』(辻野晃一郎 著)┴【アウトローの世界】┴18『憚りながら』(後藤忠政 著)┴19『闘い いまだ終わらず』(山平重樹 著)┴20『田中清玄自伝』(田中清玄 著)┴21『突破者』(宮崎学 著)┴22『おそめ』(石井妙子 著)┴23『許永中』(森功 著)┴【宗教のゆくえ】┴24『「疑惑」は晴れようとも』(河野義行 著)┴25『麻原彰晃の誕生』(山文彦 著)┴26『A』(森達也 著)┴27『創価学会秘史』(高橋篤史 著)┴28『池田大作「権力者」の構造』(溝口敦 著)┴29『闇の流れ』(矢野絢也 著)┴30『カルト資本主義』(斎藤貴男 著)┴【現代アジアと日本】┴31『じゃぱゆきさん』(山谷哲夫 著)┴32『フィリッピーナを愛した男たち』(久田恵 著)┴33『からゆきさん』(森崎和江 著)┴34『エビと日本人』(村井吉敬 著)┴35『バナナと日本人』(鶴見良行 著)┴【科学と市民】┴36『知事抹殺』(佐藤栄佐久 著)┴37『市民科学者として生きる』(高木仁三郎 著)┴38『水俣病』(原田正純 著)┴39『苦海浄土』(石牟礼道子 著)┴40『下下戦記』(吉田司 著)┴2 メディアへの問いかけ┴【格闘するメディア】┴41『ネットと愛国』(安田浩一 著)┴42『出版業界最底辺日記』(塩山芳明 著)┴43『天下無敵のメディア人間』(佐藤卓己 著)┴44『あわわのあはは』(住友達也 著)┴45『メディアの支配者』(中川一徳 著)┴46『渡邉恒雄 メディアと権力』(魚住昭 著)┴47『天人』(後藤正治 著)┴48『南ア共和国の内幕』(伊藤正孝 著)┴49『不可触民』(山際素男 著)┴50『記者襲撃』(樋田毅 著)┴51『銀バエ』(山岡俊介 著)┴52『武富士追及』(三宅勝久 著)┴53『「噂の眞相」トップ屋稼業』(西岡研介 著)┴【メディアのなかの個性たち】┴54『田中角栄』(早野透 著)┴55『昭和45年11月25日』(中川右介 著)┴56『赫奕たる逆光』(野坂昭如 著)┴57『孤獨の人』(藤島泰輔 著)┴58『ドキュメント 昭和天皇』(田中伸尚 著)┴59『狼煙を見よ』(松下竜一 著)┴60『一九六一年冬「風流夢譚」事件』(京谷秀夫 著)┴61『蘆花徳富健次郎』(中野好夫 著)┴62『鞍馬天狗のおじさんは』(竹中労 著)┴63『井上剣花坊・鶴彬』(坂本幸四郎 著)┴64『たいまつ十六年』(むのたけじ 著)┴65『後藤田正晴』(保阪正康 著)┴66『医者 井戸を掘る』(中村哲 著)┴3 歴史を掘り下げる┴【戦争を考える】┴67『拝啓マッカーサー元帥様』(袖井林二郎 著)┴68『密約』(澤地久枝 著)┴69『国防婦人会』(藤井忠俊 著)┴70『別れのブルース』(吉武輝子 著)┴71『天皇陛下萬歳』(上野英信 著)┴72『あの戦争から遠く離れて』(城戸久枝 著)┴73『ヒロシマ・ノート』(大江健三郎 著)┴74『原爆供養塔』(堀川惠子 著)┴75『逆転』(伊佐千尋 著)┴76『不死身の特攻兵』(鴻上尚史 著)┴77『米軍ジェット機事故で失った娘と孫よ』(土志田勇 著)┴78『日航123便 墜落の新事実』(青山透子 著)┴79『ルーズベルトの刺客』(西木正明 著)┴80『 つきアーニャの真っ赤な真実』(米原万里 著)┴81『絢爛たる影絵』(高橋治 著)┴82『極光のかげに』(高杉一郎 著)┴【朝鮮・中国の歴史と日本社会】┴83『朝鮮と日本に生きる』(金時鐘 著)┴84『私戦』(本田靖春 著)┴85『閔妃暗殺』(角田房子 著)┴86『ディア・ピョンヤン』(梁英姫 著)┴87『1★9★3★7』(辺見庸 著)┴88『何日君再来物語』(中薗英助 著)┴89『ピンポンさん』(城島充 著)┴90『満州裏史』(太田尚樹 著)┴91『張学良の昭和史最後の証言』(NHK取材班・臼井勝美 著)┴92『上海時代』(松本重治 著)┴【近代史を学ぶ】┴93『ポーツマスの旗』(吉村昭 著)┴94『杉原千畝』(白石仁章 著)┴95『ある明治人の記録』(石光真人 著)┴96『鼠』(城山三郎 著)┴97『ある歴史の娘』(犬養道子 著)┴98『マリコ』(柳田邦男 著)┴99『ストロベリー・ロード』(石川好 著)┴100『中村屋のボース』(中島岳志 著)┴おわりに┴本書で取り上げた一〇〇冊

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

109
佐高さんのノンフィクション紹介の本は以前やはり岩波新書でも読んでいました。この本は新しいものを含めて、項目別に紹介したもんです。佐高さんは反政権、反大企業でその姿勢を嫌う人も多いのですが私はこの衣を着せない筆致が好きです。この100冊の中で結構読んでいるつもりだと思っていたのですが、2割くらいしか読んでいませんでした。少しこの中から読んでいこうと思っています。2021/03/31

kinkin

103
時代を切り取ったノンフィクション本100冊の紹介。読んだことのある本も何冊かあった。ノンフィクションはよく読む。この本のように著者の頑固な解説があると読みたくなる本がまた出てくる。読みたい本に登録する。図書館や本屋を調べて取り寄せいざ読もうとした頃には関心が薄れてゆくことが多い。そういったモチベーションの低下時はやっぱり出だしから心を掴まれるノンフィクションが必要だ。この本には未知のノンフィクション本が多数。全部読んでみたいがそれは自分の読書量では無理。気になる本を読みたい本に登録したい。図書館本2021/05/03

trazom

92
稀代の読み手である佐高信さんによるノンフィクション100選。巻末に「会社国家のタブーに挑んだ作品を選んだ」と書いておられるが、佐高さんにとってノンフィクションとは、自らのイデオロギーを明確に主張して、強き者に抵抗する手段なんだろう。でも事実より認識が先にあるような捉え方は、佐高さんとは対極にあるような歴史修正主義者の主張さえ正当化しかねない危うさを秘めている。私は、暴き・貶し・非難するようなノンフィクションよりも、これまで光が当たることのなかった行為や人物の崇高さを掬い取り、勇気や愛を感じる作品が好きだ。2021/06/18

壱萬弐仟縁

48
1冊2頁構成と読みよい。私が読んでたのは6の鎌田慧著、34村井吉敬著、35鶴見良行著、37高木任三郎著、39石牟礼道子著、ぐらいであった(目次より)。なので、むしろ読んでいない7雨宮処凛著『生き地獄天国』を読みたい(14-5頁)。プレカリアートの救済を。14佐々木実著『竹中平蔵 市場と権力』も読みたい。佐高さんは新自由主義は利権自由主義(29頁)と説いている。さらに、24河野義行著『「疑惑」は晴れようとも』もよさそう(48-9頁)。2021/07/01

hatayan

45
稀代の読書家でもある著者はノンフィクションの目利きでもあり、1992年には100本を選んだ『現代を読む』、1995年には50本を選んだ『戦後を読む』を岩波新書から出しています。今回の『時代を撃つ』も正統派路線を継ぐものではありますが、作品の紹介から脱線して当時の時代背景に著者の思いが色濃く綴られるところ、入手が容易ではない過去の作品が多く含まれるなど、マニアックで癖を感じるところはあります。著者がこれまで何度も取り上げてきた松下竜一の『狼煙を見よ』は本作でも登場しており、久しぶりに再読したくなりました。2021/04/13

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