内容説明
日本では「古臭い」「役に立たない」といわれる労働組合.しかし世界を見渡せば,労働組合が現在進行形で世界を変えようとしている.この違いの原因は,日本に「本当の労働組合」が存在しないことによる.社会を創る力を備えた労働組合とはどのようなものなのか.第一人者がその歴史と機能を解説する.
目次
はじめに┴第一章 歴史編1 ルーツを探る 「本当の労働組合」の源流は中世ギルドにある┴1 労働組合の遠祖・ギルドの原理┴2 中世市民社会と日本でのその不在┴3 職人組合から労働組合へ┴第二章 歴史編2 「団結せよ、そして勤勉であれ」 職業別労働組合の時代┴1 近代市民社会の形成と論理┴2 初期労働組合の形成┴3 産業革命と労働者の階級形成┴4 職業別労働組合の確立┴第三章 分析編1 労働組合の機能と方法┴1 労働組合とは何か┴2 労働組合と政党┴第四章 歴史編3 よるべなき労働者たち 一般労働組合の時代┴1 新労働組合運動(ニュー・ユニオニズム)の台頭┴2 一般労働組合の基盤と組合政策┴3 労働組合の形態転換と労働政治┴第五章 歴史編4 アメリカの経験 産業別労働組合への道┴1 労働運動の二つの潮流┴2 職業別組合の限界と産業別組合の挫折┴3 労働者の企業別分断と産業別組合の対抗┴第六章 分析編2 いかにして社会を変えるのか ユニオニズムの機能┴1 産業化の新しい段階と産業別労働組合┴2 労働組合機能の発展┴3 産業別組合組織と産業別統一闘争┴第七章 歴史編5 日本の企業別労働組合 日本的労使関係の形成・衰退┴1 戦前第一期 「渡り職工」と横断的労働市場┴2 戦前第二期 戦前期労働運動の高揚と弾圧┴3 戦前第三期 日本的労使関係の戦前期形成┴4 戦後第一期 労働運動の高揚と日本的労使関係の形成(一九四五~六〇年)┴5 戦後第二期 企業主義的統合と労使協調の労働組合(一九六〇~七五年)┴6 戦後第三期 労働戦線統一と総評解散(一九七五~九〇年)┴7 戦後第四期 戦後労働運動の危機とユニオニズムの創造(一九九〇年~)┴第八章 分析編3 日本でユニオニズムを創れるのか┴1 時代の転換と働く者の悲惨 雇用不安、貧困、過酷な労働┴2 日本における産業別労働組合の登場┴3 ユニオニズムの主役はどこにいるのか┴4 ユニオニズムの創り方┴あとがき┴参考文献
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