内容説明
読者を謎解きに導く巧みなプロット.犯罪にいたる人間の内面への緻密な洞察.19世紀前半ごろ誕生した探偵小説は,文学に共通する「人間を描く」というテーマに鋭く迫る試みでもある.ディケンズ,コリンズ,ドイル,クリスティーなど,英国の代表的なミステリー作品を取り上げ,探偵小説の系譜,作品の魅力などを読み解く.
目次
序章 探偵小説の誕生┴1 ミステリーと文学┴2 探偵と探偵小説┴3 人間をいかに描くか┴第1章 心の闇を探る チャールズ・ディケンズ┴1 「ミステリー」としてのディケンズ文学 『バーナビー・ラッジ』┴2 探偵の登場 『荒涼館』┴3 犯罪者の肖像 『エドウィン・ドルードの謎』┴第2章 被害者はこうしてつくられる ウィルキー・コリンズ┴1 抹殺される恐怖を描く 『白衣の女』┴2 物的証拠と謎解き 『月長石』┴第3章 世界一有名な探偵の登場 アーサー・コナン・ドイル┴1 人間観察と推理 『緋色の研究』┴2 哲学する探偵 「赤毛組合」「唇のねじれた男」「まだらの紐」ほか┴3 なぜ人々は名探偵を切望するのか 『バスカヴィル家の犬』┴第4章 トリックと人間性 G・K・チェスタトン┴1 凡人探偵の登場 「青い十字架」「奇妙な足音」「飛ぶ星」ほか┴2 単純な事実がもたらす謎 「折れた剣」「見えない男」「神の鉄槌」ほか┴3 ブラウン神父の影 『木曜の男』『詩人と狂人たち』『ポンド氏の逆説』┴第5章 暴かれるのは誰か アガサ・クリスティー┴1 解明のプロセスで起こること 『アクロイド殺し』ほか┴2 人間を裁けるか 『オリエント急行殺人事件』ほか┴3 誰かに似ている犯人 『火曜クラブ』ほか┴終章 英国ミステリーのその後 「人間学」の系譜┴あとがき┴主要参考文献
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