内容説明
野生動物と人間との間に,深刻なあつれきが起きている.シカの農林業被害,クマの人身事故,トキの絶滅──.野生動物と共存するためには,野外調査の成果に裏打ちされた,科学的で計画的な保護管理が必要である.外国の事例や過去の失敗に学びながら,著者が実践してきた事例を通して,日本に合った科学的な保護管理の手法を考える.
目次
はじめに┴1 人間と野生動物┴ワイルドライフ・マネジメントとはなにか/日本人と野生動物/明治時代の大乱獲/北米の制度/北米での乱獲の歴史/ワイルドライフ・マネジメントへの道のり┴ノート1 野生動物に関わる法律┴2 日本の野生動物たちはいま┴ツキノワグマの異常出没/増加するニホンジカ/野生動物の分布拡大と農林業への加害/冬眠と食物の生態学/生息地と環境の変化/人工林と里山の現在/温暖化とシカ,イノシシの増加/人間社会の変化と野生動物┴3 野生動物たちが提起していること┴クマの生息地管理 自然林への誘導とコリドー/農林業被害をいかに防ぐか/なにを守り,なにを排除するか/ワイルドライフ・マネジメントの個体群管理/希少種と外来種への適用┴4 日本版ワイルドライフ・マネジメントへの挑戦┴警報システムをつくる/警報の発展と行政の役割/管理計画をつくる/五葉山でのシカ管理計画/個体数を数える/ヘリコプターの空中カウント/クマの個体数を推定する/ヘア・トラップ法の登場/捕獲個体から情報を引き出す/野生動物の年齢を見積もる/生息環境と健康状態の診断/個体数はなぜ増減するのか/シカの管理の実践/野生動物の存続の危機/ツキノワグマは何頭いれば絶滅しないか/コリドーの重要性/ビッグホーンからわかったこと/トキの野生復帰/存続可能性分析と順応的管理/ワイルドライフ・マネジメントを支える制度と人┴ノート2 ブナの豊凶の予測┴ノート3 さまざまな個体数推定方法┴ノート4 標識再捕法┴ノート5 年齢を調べる(1) 歯の年輪法┴ノート6 年齢を調べる(2) カモシカの角輪法┴ノート7 生命表の構成と読み取り┴ノート8 ツキノワグマの存続可能最少個体数┴ノート9 60羽のトキは存続できるか┴あとがき┴読書案内・図表出典┴シカのヘリコプターからの個体数調査.その結果は?┴カモシカの年齢や妊娠履歴を角から読み取る方法も紹介.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
磁石
calaf
ジュリ
takao
Theodore
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