岩波科学ライブラリー<br> ワイルドライフ・マネジメント入門 - 野生動物とどう向きあうか

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岩波科学ライブラリー
ワイルドライフ・マネジメント入門 - 野生動物とどう向きあうか

  • 著者名:三浦慎悟
  • 価格 ¥1,320(本体¥1,200)
  • 岩波書店(2021/07発売)
  • ポイント 12pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784000074858

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内容説明

野生動物と人間との間に,深刻なあつれきが起きている.シカの農林業被害,クマの人身事故,トキの絶滅──.野生動物と共存するためには,野外調査の成果に裏打ちされた,科学的で計画的な保護管理が必要である.外国の事例や過去の失敗に学びながら,著者が実践してきた事例を通して,日本に合った科学的な保護管理の手法を考える.

目次

はじめに┴1 人間と野生動物┴ワイルドライフ・マネジメントとはなにか/日本人と野生動物/明治時代の大乱獲/北米の制度/北米での乱獲の歴史/ワイルドライフ・マネジメントへの道のり┴ノート1 野生動物に関わる法律┴2 日本の野生動物たちはいま┴ツキノワグマの異常出没/増加するニホンジカ/野生動物の分布拡大と農林業への加害/冬眠と食物の生態学/生息地と環境の変化/人工林と里山の現在/温暖化とシカ,イノシシの増加/人間社会の変化と野生動物┴3 野生動物たちが提起していること┴クマの生息地管理 自然林への誘導とコリドー/農林業被害をいかに防ぐか/なにを守り,なにを排除するか/ワイルドライフ・マネジメントの個体群管理/希少種と外来種への適用┴4 日本版ワイルドライフ・マネジメントへの挑戦┴警報システムをつくる/警報の発展と行政の役割/管理計画をつくる/五葉山でのシカ管理計画/個体数を数える/ヘリコプターの空中カウント/クマの個体数を推定する/ヘア・トラップ法の登場/捕獲個体から情報を引き出す/野生動物の年齢を見積もる/生息環境と健康状態の診断/個体数はなぜ増減するのか/シカの管理の実践/野生動物の存続の危機/ツキノワグマは何頭いれば絶滅しないか/コリドーの重要性/ビッグホーンからわかったこと/トキの野生復帰/存続可能性分析と順応的管理/ワイルドライフ・マネジメントを支える制度と人┴ノート2 ブナの豊凶の予測┴ノート3 さまざまな個体数推定方法┴ノート4 標識再捕法┴ノート5 年齢を調べる(1) 歯の年輪法┴ノート6 年齢を調べる(2) カモシカの角輪法┴ノート7 生命表の構成と読み取り┴ノート8 ツキノワグマの存続可能最少個体数┴ノート9 60羽のトキは存続できるか┴あとがき┴読書案内・図表出典┴シカのヘリコプターからの個体数調査.その結果は?┴カモシカの年齢や妊娠履歴を角から読み取る方法も紹介.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

磁石

22
食害を防ぐために動物の個体数調整……。やらねばならないのはわかるも、どうにも引っ掛かりがある。もしやるのなら、一番に害悪を振りまいている人間の個体数調整も視野に入れなくてはらなくなる、動物の方はちゃんと自然と調和しているのだから結局人間の方に帰ってきてしまう。だからか、世界人口を5億人にまで減らして調整しなければならない、なんて宣言もでてくるのかもしれない。個体数調整、枠の外にある審判者には決してなれない分際では、使えない言葉だろう。2017/05/31

calaf

8
野生生物の数のコントロールって、やらなければならないという主張は分かるものの、人間がやっていいことなのだろうか...感情論に入ってしまうとダメなんだろうけど (大汗)2012/10/18

ジュリ

2
なぜクマやシカが人里に現れるのか、どうやってつき合っていけばよいのかという本。増えすぎてしまったシカやイノシシは、適切な管理をする必要があるそうだ。そのためには、固体の数や生態などをしっかりと研究して、計画を立てて、結果を見て、フィードバックしていく必要がある。今はむやみに射殺してしまうことがあるけれど、しっかりした管理体制を整えて欲しい。2018/03/14

takao

2
野生動物管理。自然資源の保全という思想。2018/02/09

Theodore

1
いつも思うんだが人間は野生生物の数を管理することは考えても、人間自体の適正数を探って人口をそこに近づけることはまったく考えないんだよな。今流行りのSDGs云々だって、そもそも世界人口を減らせば手っ取り早く達成できると思うんだが。さすが今いる人を処分しろとは言えないから、これから生まれてくる子供の数をどの程度に抑えるか。これが将来の人類の生存に大きく影響すると思う。誰が子を産み、または産まないか。この問題は是非子を産む側の性として、全ての人間の女達に考えてもらいたい。もちろん野生生物の管理も大事だが。2022/06/25

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