内容説明
今日こそ……言うぞ! この一言を! !
――せっかく書い小説を誰にも読んでもらえない“売れない放送作家”の、笑いと切なさがクセになる、そして最後にジーンとくる、“ちょっとだけ成長”の物語。
放送作家の緒方は、長年の夢だったSF長編小説をついに書き上げた。
渾身の出来だが、彼が小説を書いていることは、誰も知らない。
――眠る妻の枕元に、原稿を置いた。気づいてもらえない。
――芸術家になった後輩を呼び出した。逆に、彼の作品の感想を求められる。
――仕事仲間のディレクターに的を絞った。仕事の悩みを相談される。
――初恋の女性から連絡がきた。お願いする前に、“お願い”された。
誰かに、読んでほしい。誰でもいいから、読んでほしい。読んでほしいだけなのに!
誰に会っても、自分の話を切り出せない。気づくと、相手の話を聞いてばかり。
はたして、この小説は、誰かに読んでもらえる日が来るのだろうか!?
笑いと切なさがクセになる、そして最後にジーンとくる。“ちょっとだけ成長”の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はち
21
長年夢だった長編小説を書き終えた緒方。彼はこの作品を誰かに読んでもらいたくて奔走するのだが、、ちょっとコミカルでほのぼのする連作短編。「読んでほしい」の一言がなかなか言い出せない。妻、芸術家、初恋の人、後輩、師匠etc、いろんな知人にチャレンジするが上手くいかない。相手のペースに飲まれてしまい、とばっちりを食らうことも。焦ったいところもあるが、何でだろう?わかるなぁ〜この感覚。緒方にちょっと親しみさえ感じてしまう(笑)。2023/01/17
ちかこ
4
なかなか読んでもらえず でも最後は( ;꒳; )( ;꒳; )( ;꒳; ) この一言!!2024/05/17
sazen
3
★全然、話が前に進まない小説。こんなに一歩も前に進まない本も珍しい。1/3くらい読んでも延々と同じパターンなのでついに、終章を先に読んだら、で?と思ってしまった。手腕のある作家がショートショートに改変して、ひねりのあるオチにしたらテーマが活きるかもしれない。2021/11/03
りこりり
3
まさしく読んでほしいでした!2021/09/02
みやび
0
☆32021/10/12