ハヤカワ・ミステリ<br> 評決の代償

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ハヤカワ・ミステリ
評決の代償

  • ISBN:9784150019693

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内容説明

数か月にわたる裁判の末、誘拐殺人事件の被告に下された判決は「無罪」だった。陪審員たちには世論から猛烈な誹謗中傷が浴びせられることに。十年後。当時の陪審員で、現在は弁護士として活躍するマヤのもとに、かつての事件の新たな証拠が見つかったとの連絡が入るが……。驚きの展開に満ちたリーガル・サスペンス。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Panzer Leader

70
LAの不動産王の娘を殺害したとされる黒人高校教師に無罪の評決を出した陪審員たち。しかし世間では有罪であると思われていたため陪審員たちへの風当たりは強かった。その後TVの追悼番組でこの事件を取り上げることになり陪審員たちが再び集まった。そんな中有罪の証拠があると主張していた一人が死亡する。果たして誰が?そして黒人教師は有罪なのか?と題材としては面白いが登場人物誰一人として共感できないので読み進め難いことおびただしい。後出しの様などんでん返しの末辿り着いた真相はカタルシスが感じられず虚しいラスト。2022/02/07

オーウェン

58
被害者のジェシカを殺した可能性のあるボビーは無罪判決を受ける。その評決に参加したマヤら一同は、10年後当時の裁判のドキュメンタリー撮影のため再び集まる。裁判を覆す証拠を持つという元恋人のリックとマヤは言葉を交わすが、リックはマヤの部屋で死体となって発見される。無罪判決の裏で起こった殺人は誰が殺したのか。無罪を勝ち取ったボビーや、12人の陪審員のその後。二重三重に絡まっており、それらが解き放れていったとき犯人が浮かび上がる。だがそれはある種のハッピーエンドでありバッドエンドでもある。2021/09/03

しゃお

37
現在を中心に過去の出来事をカットバックしながら描かれるリーガルサスペンス。果たして10年前に下した無罪評決は正しい選択だったのか。そして真実は。また、10年後に新たに起きた事件の犯人は。無罪評決を選択して過程を挿入しながら、刑事弁護士マヤが自身が陥った苦境に皮肉を感じつつも殺人容疑を晴らすために、過去と現在の事件を調査する様子は緊迫感あります。リックがそこまで事件にのめり込んでいた理由などもう少し強い動機付けがあるといいかなとも思いましたが、終盤の思いがけない展開、ミステリ的な仕掛けには驚きと共に夢中に!2021/11/23

うまる

31
ある裁判を機に人生が狂ってしまった陪審員たちの話と、10年越しに再考察される事件の真相。クロサーだと思っていたのであれ?ってなったけど、人が人を裁く事の怖さと限界が感じられる興味深い話で楽しく読めました。合間に各陪審員目線の回想が入る事で、評決の過程だけではなく、各々の人物が人を裁くに値しない人間である事が浮き彫りになる構成が良くできています。人数が多いので中盤は少々ダレましたが、終盤の真相畳み掛け具合は面白かったです。真実を明らかにする事が正義なのか、読者にも判断を問いかける苦々しいラストも良い。2021/11/18

stobe1904

31
【リーガル・ミステリ】アカデミー賞を受賞した脚本家による『12人の怒れる男』をモティーフにしたリーガル・ミステリ。10年前の事件の陪審員で無罪を主張したマヤが、テレビ局の企画で当時の陪審員メンバーと再会することになるが…。12人の陪審員の背景や裁判の様子など輪郭を淡々と描く前半から先が読めないヒネリが連続する最終盤といい、盛り上げ方がとても上手い。グレーな結末ながら希望が見えるエンディングも好みだが、主人公マヤのキャラに共感を感じなかったのが残念。脇役はいいキャラが揃っているが…。★★★★☆2021/09/07

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