内容説明
進化理論の根幹を支えたのは、ガラパゴスのフィンチでもゾウガメでもなく、愛する犬たちだった! ダーウィンにとって、犬こそがいちばん身近で、付き合いの長い相棒なのだ。愛犬ボブやポリーの視点から語る、犬大好き人生と発想の秘密。そして『種の起源』には、動物好きのイギリス社会を意識した巧妙なレトリックが仕込まれていた!
目次
はじめに
第1章 はじまり
第2章 仕組み
第3章 起源
第4章 類似性
第5章 答
謝辞
訳者あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takao
2
ふむ2022/07/05
がんぞ
2
ダーウィンと同じくウォーレスもマルサス『人口論』を読んで“自然選択”のアイデアに到達した。ダーウィンは二十年来温めていたアイデアを“盗んだ”と言われることを恐れ…両者の論文は同時に発表された/『種の起源』はまず品種改良の話題から始まる。家畜一般に共通だが、当時“血統書”が作られ“良い性質”を強化するよう育成家に配慮された犬は、〈自然選択〉のスピードアップとして好個の類推だった/当時は〈世界はBC4000に始まった〉との“純信”が常識、案の定、人間は神が直接デザインしたものではないと示唆する進化論は攻撃され2021/07/06
志村真幸
0
本書は、ダーウィンの進化論を家畜の改良という側面から再照射したもの。進化には長い時間がかかり、実際に人間が目で見るのは難しい。しかし、19世紀イギリスでは、犬をはじめとする家畜の品種改良が爆発的に進んでおり、ダーウィンもみずからの目で確認することができた。つまり、犬の観察によってダーウィンは進化論を補強できたのだ、という切り口である。 実際にダーウィンが飼っていた犬たちのエピソードをまじえながら、親しみやすく説明されていく。当時の社会背景もきちんと説明されており、過不足なくよく理解できた。2022/03/31
クラーケン
0
ガラパゴス諸島とかのイメージが強いダーウィンの一生を、飼い犬とそして家族の面から切り取って、家族との手紙のやりとりからその内面を説明しようという本でした。可愛い動物を解剖するのが億劫で従兄弟にお願いするダーウィンかわゆす。あと、種の起源を出したあとのストレスや動物愛護精神、そして良い父としてのダーウィンの愛、というか愛らしさの面が感じられてよかった。2022/02/28
H Tsuda
0
ダーウィンの研究と伝記とに深く関与していた犬との生活がまとまった面白い本でした。 多様な大きさ、種類への進化の事や犬、動物の感情のこと事勉強になりました。そして種の起源以外のダーウィンの本読んでみたくなりました。2021/10/01