種を語ること、定義すること - 種問題の科学哲学

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種を語ること、定義すること - 種問題の科学哲学

  • 著者名:網谷祐一
  • 価格 ¥3,520(本体¥3,200)
  • 勁草書房(2021/07発売)
  • ポイント 32pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784326102884

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内容説明

世界は「種」にあふれている。様々な種類の生物について、生物学者はこの種を基本に議論をする。種は非常に重要な生物学の単位なのだ。だが統一的な定義はない。なぜ定義がないのに生物学者たちは研究を進められるのか?その問いの射程は生物学の哲学にとどまらない。新しい自然主義的な科学哲学の姿を映し出す、エポックとなる1冊。

目次

はじめに

第一章 種問題とは何か
 1・1 イントロダクション──種問題とは何か
 1・2 形態学的(分類学的)種概念
 1・3 生物学的種概念
 1・4 系統学的種概念
 1・5 多元主義
 1・6 種の存在論的地位──種は個物か
 1・7 本書の中心的な問いとその重要性

第二章 合意なきコミュニケーション
 2・1 イントロダクション──なぜ種について合意がなくてもコミュニケーションができるのか
 2・2 三つのケーススタディ
 2・3 二論争物語──プライオリティの問題と同所的種分化の問題
 2・4 通約不可能性問題とコミュニケーション不全
 2・5 結論──定義がないのになぜコミュニケーションが成り立つのか

第三章 「よい種」とは何か
 3・1 イントロダクション──種を語るときの二つのモード
 3・2 二重過程説とは何か
 3・3 生物学者は種についてどう語るのか
 3・4 「よい種」とは何か
 3・5 生物学者は「よい種」を用いてどのように考えるのか
 3・6 種にかかわる推論には二つのプロセスが関与する

第四章 「投げ捨てられることもあるはしご」としての種
 4・1 イントロダクション──個々の定義を超えた「種」の理解
 4・2 一般種概念の構成要素を明らかにする
 4・3 一般種概念と個々の種の定義の関係──精緻化
 4・4 一般種概念はどういう認識論的役割を果たしているか
 4・5 「投げ捨てられることもあるはしご」としての種
 4・6 「一般種概念」から何が言えるのか
 4・7 おわりに───一般種概念とは何か、どういう役割を果たしているのか

おわりに

参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

志村真幸

0
科学者たちが生物の種というものを、どのように認識しているかに迫った研究書だ。じつは「種」についての統一見解は存在せず、さまざまな説がある。しかし、それによって生物学者同士の議論が混乱するかといえば、そんなことはないのだという。  そのような「合意なきコミュニケーション」がなぜ成立するのかを、「よい種」と「投げ捨てられることもあるはしご」という切り口から解き明かそうと試みている。  狐につままれたような感じではあるものの、納得させられる。生物の種の問題の謎がさらに深まったように思うが、非常に刺激的であった。2023/08/31

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