ルーマン/社会の理論の革命

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ルーマン/社会の理論の革命

  • 著者名:長岡克行
  • 価格 ¥10,450(本体¥9,500)
  • 勁草書房(2021/07発売)
  • ポイント 95pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784326601950

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内容説明

ルーマンの理論は一口に「操作的に閉じたオートポイエティックで自己言及的なシステム理論」といわれる。本書はこの要約に含まれる単語を一つ一つ解きほぐすように6部18章にわたって説明する。

目次

まえがき

序 論 社会の理論の新しい試み
 1 新たな不透明性
 2 社会の理論の革新
 3 本書の構成
 補論I ルーマンの略歴と彼の社会学理論の見取り図

I 研究プロジェクト「社会の理論」

第一章 社会の理論に先立つ決定
 1 はじめに
 2 理論的な決定

第二章 空席としての社会の理論
 1 従来の社会の理論における社会
 2 社会システムとしての社会
 3 「複合性の縮減」に対する批判

第三章 社会システム理論の基本視座
 1 通常なものの「ありそうになさ」
 2 普遍性要求と社会的なもの

II 自己言及的システム

第四章 システム理論とオートポイエーシス理論
 1 差異理論としてのシステム理論
 2 オートポイエーシス
 3 自己組織化論からオートポイエーシス理論へ
 補論II ルーマンはオートポイエーシスを「誤解」しているか?

第五章 自己言及的システムの理論
 1 オートポイエティック・システム
 2 システムの自己生産と観察
 3 自己言及
 4 自己言及的システムの理論の主導差異
 5 社会システムのオートポイエーシスの特殊性

第六章 区別と観察
 1 形成
 2 メディアと形式
 3 観察

III 意味システム

第七章 意味と情報
 1 はじめに
 2 意味の指示構造と意味の処理
 3 情報と構造因果性
 4 意味の三次元
 5 意味構成の発生論とシンボルによる一般化

IV 社会システム

第八章 社会システムの形成
 1 社会的な秩序はいかにして可能か?
 2 二重の偶発性と社会システムの形成

第九章 コミュニケーション
 1 コミュニケーション概念の再編成
 2 コミュニケーション
 3 コミュニケーションと行為
 4 社会的(ゾチアール)行為と社会的(ゲゼルシャフトリッヒ)行為

第一〇章 社会システムと心的システム──構造的カップリング
 1 システム理論と人間
 2 意識のオートポイエーシス
 3 構造的カップリング
 4 社会システムと心的システムの構造的カップリング
 5 コミュニケーションと間主観性

第一一章 社会システムの構造
 1 構造主義的理論に対する批判
 2 構造の概念
 3 出来事と構造
 4 社会システムの構造としての期待

第一二章 社会システムの構造の変化
 1 構造の変化の条件としてのオートポイエーシス
 2 進化理論への接続
 3 進化の領域

第一三章 社会システムにおける矛盾とコンフリクト
 1 矛盾
 2 コンフリクト

V 社会というシステム

第一四章 社会の概念
 1 社会システムの三類型
 2 「認識論的障害」の打破
 3 操作的な閉じと社会による環境観察
 4 社会による自己観察
 5 相互行為と社会の差異、組織と社会の差異
 補論III ルーマンのシステム理論は「システムを不当前提」しているか?

第一五章 近代社会の構造とその諸帰結
 1 機能的分化
 2 機能システムの二項的コード化
 3 機能的に分化した社会
 4 機能的分化の社会的な諸帰結
 補論IV 生活世界について

VI 操作的構成主義と社会記述の方法

第一六章 構成主義的認識論
 1 社会の自己記述問題
 2 構成主義的認識論

第一七章 社会記述の方法
 1 脱存在論的な観察としての第二階の観察
ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ぷほは

2
やっと読了。後期ルーマンの理論を中心にした概説書で、別名「ルーマン事典」。タイトルから想像されるとおり、廣松門下?のひとりである著者はマルクスとの比較としてルーマンを捉えており、そのバイアスに気をつけながら読む必要がある。だがそれ以前にルーマンのオートポイエーシスや自己言及の議論は、具体的に論旨を追っていくと途中で頭が痛くなるので笑、経験的事例を想起しつつ休み休み読むか、もしくは通読は避けて索引を駆使する、文字通り事典としての使い道が最善のようだ。図解や結論部のみ取り出して体系を理解しようとすると危ない。2015/11/11

産廃屋

1
76冊の書籍を上梓したルーマンの後を追うのは並大抵のことではないが、本書は主としてオートポイエティック・ターン以後を丁寧に説明してゆく労作である。あまりに膨大なため一読しても茫漠としており、これ一冊でルーマンを理解というのは難しい。やはり一読後のルーマンの著作を読む際の副読本、もしくは事項および人名索引を用いての辞書的な役割が期待できる。2014/02/09

じょに

0
とんでもない労作。

あーさー

0
院のゼミで輪読。2007/12/11

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