ちくま新書<br> ミャンマー政変 ──クーデターの深層を探る

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ちくま新書
ミャンマー政変 ──クーデターの深層を探る

  • 著者名:北川成史【著】
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 筑摩書房(2021/07発売)
  • 夏の総決算!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍(~8/31)
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  • ISBN:9784480074126

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内容説明

2021年2月1日、ミャンマー国軍がクーデターを起こし、アウンサンスーチー国家顧問らを拘束した。民主化に舵を切ったとみられていた国で起きた突然の政変は、世界に衝撃を与えた。民政移管後もなお大きな力を維持していた国軍が、なぜ今クーデターに踏み切ったのか。その背景にあるのが、ビルマ人ナショナリズムに基づく国軍、スーチー率いる民主派NLD、国内に100以上存在するとされる少数民族の因縁だ。現地取材をもとに三者のもつれた関係をひもとき、クーデターの深層を探る。

目次

第一章 クーデターの衝撃
1 未明の急襲
驚き
東京
宣言
2 暴挙の前兆
決裂
圧勝
熱気
主張
疑義
準備不足
3 広がるデモ
反発
共闘
新世代
圧力
記念日
警鐘
内戦
本書の視点
第二章 スーチーと国軍
1 創設の父、対立の娘
第一友好橋
ビルマ人王朝の繁栄と衰退
独立の英雄アウンサン将軍
父の姿を追う娘
ネウィンによる軍政
表舞台へ
民主化への戦い
解放
2 特権の侵食
国軍の特権
NLD政権のウルトラC
国際司法裁判所への出廷
国軍との対立構図
巨大な経済利権
3 冷めた関係
国軍総司令官の野心
自己陶酔
軽視された助言
水と油
第三章 多民族国家の矛盾
1 ロヒンギャ七〇万人の流出
「民族浄化」
苛烈な掃討作戦
根強い差別意識
「仏教テロの顔」後継団体を訪ねて
ロヒンギャのルーツ
少しずつ奪われる権利
スーチーは何を語ったか
過激派集団ARSA幹部の証言
遅れる帰還
マハティール前首相の視線
2 独立国「ワ」
舗装された道
和平三〇周年祝典
国内に割拠する少数民族武装勢力
「中国は兄弟だ」
祝賀ムードの裏側
3 タイ国境の両側
「タイ」と名乗る人々
アヘン栽培の悪名
難航する和平プロセス
アウンサン将軍像をめぐって
忘れられた難民
クーデターの影
第四章 狭まる言論
1 真実への報復
インセイン地区裁判所
「なぜ、お父さんは帰ってこないの」
一年五カ月の拘束
虐殺の舞台
粗雑な官製ツアー
刀傷
2 後退する自由
国営メディアの優遇
NLD政権への失望
相次ぐ報道関係者の逮捕
朝日新聞への異議申し立て
討論会への横槍
日本人ジャーナリスト摘発
3 暴走するSNS
殺害予告
デマとヘイトスピーチの温床
民主主義の武器になれるか
第五章 問われる国際社会
1 関係国の思惑
凍結した巨大ダム計画
非難を避ける中国
ASEAN臨時首脳会議
国軍記念日を祝う八つの国
制裁から協調へ
2 日本の役割
日本ミャンマー協会前デモ
将官級交流プログラム
「親しい関係にある大切な国」
決断のとき
あとがき
ミャンマー年表
主要参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

66
ジャーナリストの手によるミャンマーのクーデターの概説書だが、ロヒンギャやその他の少数民族の問題にも触れている。著者自身の現地での制約が多い中での取材に加え、帰日後も在日ミャンマー人への取材や、インターネットを駆使した取材により、事態を立体的にまとめてあり、読みやすい文章もあってすらすら読める。戦後ミャンマーの軍政史と民主化、スーチーの光と影も捉えられており、当然「民主化」寄りの視点だが、現代ミャンマーを知るにも適当。軍優遇の現憲法にも詳しく、「あとがき」の憲法改正の際に警戒するべき点についての指摘も重い。2021/09/19

金吾

18
ミャンマー情勢がまとめられています。ミャンマーの少数民族問題とアウンサンスーチー氏の光と陰が興味深かったです。2024/11/11

coolflat

18
2021年2月1日、ミャンマー国軍によるクーデターが起きた。研究者はこぞってクーデターは実際に起きると予想していない出来事だったという。何よりの根拠は、軍政下の2008年に制定された現行憲法が、国軍に様々な特権的な地位を与えている点だった。国家の暴力装置はすべて国軍が掌握し、シビリアンコントロールは利かない。また外国籍を持った家族がいる場合、国家元首である大統領や副大統領になれない。スーチーの大統領就任を阻む狙いがありありと透ける。国家の非常事態の際、大統領が全権を国軍総司令官に委譲できる規定もある。2022/07/27

Francis

14
今年2月に起きたミャンマーのクーデター、そしてロヒンギャ問題とミャンマー国内の少数民族問題の現状を取り上げている。クーデターは明らかに権力を持ち過ぎたミャンマー国軍に大きな問題がある。一方でアウンサンスーチー国家顧問にも問題があったこと、ロヒンギャ問題や少数民族問題でも国民民主連盟政権にも至らなかった点があったのは間違いない。とは言え1988年以来続くミャンマー民主化は民政移管してようやく10年になったばかり。クーデターに今なお抵抗し続けているミャンマー国民は本当にたくましくなっていると思う。2021/08/28

穀雨

8
東京新聞のバンコク特派員がここ数年の取材をまとめたもので、ミャンマー国軍とNLDの相剋やロヒンギャ問題、少数民族問題など、さまざまなトピックが取り上げられている。ロヒンギャ問題でミャンマーの仏教徒の大部分が政府の対応を支持していることには、国軍=悪、民主化勢力=善という図式だけでとらえきれない問題の複雑さが感じられた。個人的には、90年代に「アヘン王国」として知られたワ自治州のいまを知ることができてうれしかった。2021/12/06

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