きみが死んだあとで

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きみが死んだあとで

  • 著者名:代島治彦【著】
  • 価格 ¥2,530(本体¥2,300)
  • 晶文社(2021/06発売)
  • ポイント 23pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784794972699

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内容説明

1967年、10・8羽田闘争。同胞・山﨑博昭の死を背負った14人は、その後の時代をどう生きたのか? 全共闘世代の証言と、遅れてきた世代の映画監督の個人史が交差する、口承ドキュメンタリー完全版。

1967年10月8日、佐藤栄作首相の南ベトナム訪問阻止を図る全学連が、羽田・弁天橋で機動隊と激突、当時18歳だった京大生・山﨑博昭さんが死亡した10・8羽田闘争。この〈伝説の学生運動〉に関わった若者たちのその後を描いた長編ドキュメンタリー映画『きみが死んだあとで』を書籍化。
山本義隆(元東大全共闘議長)、三田誠広(作家)、佐々木幹郎(詩人)をはじめ、当時の関係者への延べ90時間に及ぶ取材メモをもとにした、映画未収録インタビューを含む口承ドキュメンタリー完全版。「しらけ世代」の代島監督がいちばん憧れた「全共闘世代」のヒーロー、秋田明大(元日大全共闘議長)に迫る書き下し原稿も掲載! 若者は「10.8後」をどう生きたのか。あの時代の貴重な証言がここに。

【目次】
はじめに
「よく見比べてから判断したいので、いまは入りません」とお断りしました。──向千衣子さんの話
映画『きみが死んだあとで』を撮るにいたった動機
捕虜を撃ち殺す写真を見たのは大きかった。──北本修二さんの話
内ゲバは厭やね。だけど指令があれば、いや、わからないな……。──山﨑建夫さんの話
ぼくの話 1
だから「襟裳岬」をふと耳にするだけで胸がジンとする。──三田誠広さんの話
もうちょっとで山﨑の一周忌やなあと思ったんですけど、その前にやめました。──岩脇正人さんの話
ぼくの話 2
何の役にも立たない老人に、何の意味があるんだと思うでしょうけど。──佐々木幹郎さんの話
49歳ではじめて没頭したんです、いまの仕事に。──赤松英一さんの話
ぼくの話 3
大学では剣道部。もともとは右翼ちっくな少年だったんですが。──島元健作さんの話
わが子に「命」が何なのかを教えてもらいました。──田谷幸雄さんの話
ぼくの話 4
高校時代は何にでもなれると思ってたけど、何にもなれなかったっていうような人生ですね。──黒瀬準さんの話
エイッて、機動隊に追われてホームから線路に飛び降りたんですよ。──島元恵子さんの話
ぼくの話 5
私の救援の原点は、じつは子どもたちなんですよね。──水戸喜世子さんの話
ぼくの話 6
護送車のバックミラーに映った顔を見たら憑かれた顔で「これがハタチの俺なんやなあ」って。──岡龍二さんの話
ぼくの話 7
俺いなくなったら、絶対集まらないから待ってるしかない。だから、ひとりで待っているんだよ。──山本義隆さんの話
ぼくの話 8 終章
あとがき
登場人物紹介
本書に登場する用語の簡易解説
参考・引用文献
関連年表

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

85
1967年の10・8羽田闘争で機動隊に殺された京大生・山崎博昭さんの名は、1960年の東大生・樺美智子さんとともに絶対に忘れられない。山崎さんと関りのあった14人のモノローグで構成する長編映画を制作した著者は「もしもぼくが団塊の世代に生まれたら、どんな青春を送っただろうか」と問う。「若者が主役の闘争」を闘い、その後「若者が敗北した時代」を生き抜いた人たちの言葉を通して、全共闘世代を振り返る本書は、「青春時代の夢」さえ持つことのできなくなった現代への問いかけでもある。数々の思い出が交錯する、心に残る一冊だ。2021/10/14

秋 眉雄

22
映画を観た直後に偶然古本屋さんで目に止まり購入(運命という名目で本は増え続ける)。映画から漏れた部分を含むインタビュー集。直接関わりを持った人たちによる、時を経なければ出てこない言葉たち。書き下ろしで秋田明大に迫ったルポルタージュも。2023/10/13

わんつーろっく

18
1967年佐藤首相の南ベトナム訪問阻止を図った全学連。機動隊との激突で亡くなった山﨑博昭さんを知る、当時の活動家たちへのインタビューで綴る口承ドキュメンタリー。活動から離れた後の人生を語る仲間たち、その彼らの山﨑への追悼。何故自分は生き残っているのか。新聞や資料からもれた複数の声は揺るぎない。大衆の力も今とは全然異なり、現代の自己肯定感とか自己実現って、当時は自己否定と自己変革を掲げる。きみが死んだあと、あの日、世界に日本の良心を示したと映画は締めくくる。今、重信房子出所のニュースが流れてドキッとした。2022/05/29

エドバーグ

9
著者曰く「記憶を時代に埋葬して、記憶の実を結ぶ。」60年~70年の学生運動の記憶をきっちり見直して、若者の正義を追求した心意気が、記憶の実となったと実感しました。ただ、共産主義の非道さも顕著に実を結んでいた。当時の指導者たちが一般人化するのは、生きていくためにやむを得ないのだろうが、当時の理想と今の現実の乖離に言及してほしかった。2022/01/29

りんりん

7
山本義隆と秋田明大が対照的だな。「二十歳の原点」はそれこそ私の二十歳の原点なので、ああいうふうに書かれると不快。それぞれがもう50年も前の話なのに詳細に当時のことを語っているのは、それだけのことだったのだろう。救援連絡センターは、こういう方たちがこういう理念でやっていたのかと初めて知った。映画もみたい。ちょうど坂上香さんの「エクソダス現象と終わらない絶望」という文章を読んだところだったので、ドキュメンタリー映画が見たい。2022/07/29

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