内容説明
歴史を問うことは、現在を問うことでもある。フランスという国の古代から現代までの歴史を一貫して見渡し、また各時点の様相や苦闘をとらえることで、今日の疑問をときほぐす基本的な歴史理解を提示する。『新版世界各国史12 フランス史』をハンディ版に改め刊行。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
coolflat
17
100頁。ルイ・ナポレオンが民衆から圧倒的に支持された背景には、彼自身の歴史認識や政策路線が次代のニーズに適合したという側面も無視できない。彼は現下の政治的対立と経済的混迷に終止符を打つには「強力な統治」が必要であること、またその統治の権威の源泉は大衆にあることを訴えた。そして人民的原理と権威の原理の融合について、フランスの栄光、それもナポレオン1世のような軍事的栄光ではなく「産業的・市民的栄光」を実現すべきことを早くから主張していた。ナポレオン3世はマルクスのいうような「とるにたらない人物」ではなかった2022/10/22
スプリント
8
フランス革命から現代フランスまで 波乱に満ちたヨーロッパの大国の歴史がつづられています。 2023/08/22
FFLJAPANbis
4
フランス史全体を俯瞰することは今まであんまりして来なかったので読み応えバッチリ。やっぱり革命以後ってカトリックと世俗の対立が軸になってるのが再確認できました。 これを読み切る間にも、他国版の山川セレクションが大量に刊行されてるようで素晴らしい。このシリーズコスパいいんでオススメです。2023/12/31