中公新書<br> 天正伊賀の乱 信長を本気にさせた伊賀衆の意地

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中公新書
天正伊賀の乱 信長を本気にさせた伊賀衆の意地

  • 著者名:和田裕弘【著】
  • 価格 ¥968(本体¥880)
  • 中央公論新社(2021/06発売)
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  • ISBN:9784121026453

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内容説明

三重県西部の伊賀市・名張市エリアはかつて伊賀国と呼ばれた。戦国時代、この小国は統治者がおらず、在地領主たちが割拠していた。一五七九年、織田信長の次男信雄は独断でこの地に侵攻。挙国体制で迎え撃った伊賀衆は地の利を生かして巧みに抗戦し、信雄は惨敗を喫した。信長から厳しく叱責された信雄は翌々年、大軍勢を率いて再び襲いかかる――。文献を博捜した著者が、強大な外敵と伊賀衆が繰り広げた攻防を描く。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

90
あまり知られていない織田勢の伊賀攻めの様子を資料を克明に読み解いて書かれて学術書だという気がしました。伊賀の地域の特赦な状況やその伊賀の人々の考え方がわかるような気がします。飛躍しすぎだといわれるかもしれませんが私は読んでいてプーチンとウクライナが頭の中をよぎりました。2022/06/05

パトラッシュ

87
司馬遼太郎の『梟の城』で語られる程度しか知らなかった天正伊賀の乱だが、天下人の座を固めつつあった信長に国ぐるみで反抗した唯一の事例として再評価されるべきだろう。天下統一の趨勢には何の影響なかったが、長いものに巻かれるのを拒んだ国衆が織田の大軍に攻められ全滅するまで戦ったことは他にないのだから。山がちの地形でゲリラ戦を展開するため忍びの者が生まれたとの説も納得できるもので、良質な史料に拠る綿密な調査で裏付けている。戦国期は戦乱続きであったが、強力な権力に支配されない自由を享受できた時代だったのかもしれない。2021/07/13

HANA

66
天正伊賀の乱というと、信長の天下に最後まで抗い続けた伊賀が滅ぼされたくらいの知識しか無かったが、本書はその遠因から北畠信雄の敗北、二度目の大進行からその後に至るまで、過程から伊賀を取り巻く状況まで詳しく説明されていてわかりやすい。ただ乱自体は数多の合戦に比べると地味な印象がぬぐい切れず、乱に関する記述も後半に入ってから。前半はそれまでの伊賀の状況が延々解説されるので、知らない情報ばかりで面白いけどやはり地味なような。乱というより伊賀自体を主題に、良質な資料を活かして解説したいぶし銀みたいな一冊でした。2021/09/11

saga

56
伊賀、そして隣接する甲賀は忍びの者の出身地として有名だ。しかし、著者が本文中でたびたび「信頼できる史料では確認できない」と慎重に書くほど、その実態は闇の中だ。北畠(織田)信雄が敗退した第一次天正伊賀の乱を契機に、信長が第二次となる伊賀征伐を行ったことで、奇しくも住民自治による地方の運営が衰退した。しかも、本能寺の変によって信長亡き後も、伊賀者による国の再興はならなかった。その後も、天下人による中央集権が強化されたことが興味深い。2023/05/12

かごむし

40
忍者大好きな僕は冒頭で「黒装束で手裏剣を使いこなし、印を結ぶような忍者がいたとは思えないが」と指摘され、し、知ってるし、とたじろぎながら読みはじめる。忍者の話しが読みたくて読みはじめたのに、この時代の忍者、という言い方をせずに「忍びの者」とはどういうものかを説明した前半はむしろ蛇足の感があった。そんなことより、織田信長と伊賀の関係が新しくて面白い。北伊勢、伊賀っていうのは京都への道なのね、と東日本の人間なのであの辺の地理に疎いことを改めて痛感する。参考文献が20ページほど続く、まじめなまじめな新書。2021/10/12

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