メディアワークス文庫<br> 砂時計のくれた恋する時間

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メディアワークス文庫
砂時計のくれた恋する時間

  • 著者名:扇風気周【著者】
  • 価格 ¥693(本体¥630)
  • 特価 ¥346(本体¥315)
  • KADOKAWA(2021/06発売)
  • ポイント 3pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784049138221

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内容説明

親のいいなりに医師を目指していた高校生の秀星は、長く続く人生に嫌気がさしていた。そんな彼のもとに、一通のメールが届く。
「この夏を最後に、病気で死んでしまう女です。私と暮らしてくれませんか?」
 メールの送り主・笹音が患う“白砂病”は、徐々に身体が石化し、命を落とす不治の病。そしてそれは、傍にいる大切な人の命をも蝕んでいく。
 好きになって距離が狭まるほどに死が近付く二人の恋。その恋の果てに、思いがけない未来が待っていた――。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

よっち

42
親のいいなりに医師を目指す人生に嫌気がさした高校生の秀星。そんな彼のもとにこの夏、病気で死んでしまう少女・笹音から一緒に暮らすことを提案するメールが届く青春小説。徐々に身体が石化し、命を落とす不治の病「白砂病」。少しずつ症状に蝕まれながらも、ドライブをしたりドローンを飛ばしたり、かけがえのない日々を過ごす中で思いを積み重ねて、距離が狭まるほどに死が近付く二人の皮肉な恋。一緒に死ぬために出会ったはずだった二人が見出したかすかな希望、そして諦めずに奇跡を信じ続けた先にあった結末にはぐっと来るものがありました。2021/06/26

陸抗

27
親の言いなりになる人生に嫌気が差し自殺願望を抱える秀星が、不治の病で体が石になってしまう白砂病の笹音と巡り合う。死を意識し、時には死から目をそらしながら限られた時間の中で夏を謳歌する二人だけど、いつまでも現実逃避出来ないと気がついてからの秀星の行動が熱かった。なかなか語らない彼の自殺願望の理由が、結果的に素敵なエンディングへと導いてくれたので、人生に無駄なことって意外とない気がする。今回の遠回りは二人に心の栄養を与え、前を向くのに必要な時間だったから。2021/11/19

彩灯尋

12
石になって最後は砂になり消えていく奇病のある世界。自分の人生に嫌気が差し、自ら命を絶つことに決めた主人公と、致死率100%の治療法もない病気のヒロインが悔いなく過ごす、最後のひと夏の物語。病気ものは号泣とまではいかずともうるうるきちゃう。偶然だったけど夏に読めて良かったな。2023/06/23

かっぱ

12
親の言いなりに医者を目指していた少年が余命わずかな難病を抱える少女と二人きりの生活を過ごすところから始まる物語。他人に伝染する、現代医療では治療不可能な"白砂病"を抱えた笹音が、自身の命に未練のない秀星と最後の夏を送る様はどこか眩しくて同時に痛々しく胸が軋む思いだ。生に執着しなかった秀星も次第に笹音と生きる未来を望むようになる展開があまりに切ない。ひと夏の出会い。不治の病。互いに惹かれる心。メディアワークス文庫らしい一冊が夏の物語を味わわせてくれた2021/07/09

た〜

7
ハダカでヒトデを追いかける話。自殺願望少年と難病少女のひと夏の物語。テーマとしてはありがちかもだけれど、やっぱりうるってきますねー。こういう話は。2021/07/28

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