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内容説明
中学1年生の夏休み。図書委員の当番で集まったクラスも部活もバラバラな4人が結成した夏限定のバンドは、4人にとってかけがえのない場所になっていった。そんな時に突然、幹が「……僕、グループ研究、抜ける」と言い出して……!? 周りの意見に流されたり、同調したり、人から噂されたり、からかわれたり……。自分を押し殺しているうちに、自分が本当に好きなもの、大切なものは簡単に消えていってしまう。そんな毎日の中で、幹が出した答えは……。『みつきの雪』で第50回児童文芸新人賞を受賞した眞島めいり氏、デビュー二作目。気持ちが前向きになる爽やかな青春ストーリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
がらくたどん
72
自分が見つけた好きな事・やりたい事に周りの目なんか気にしないで全力で取り組む。そんな子どもの物語は大抵の大人にとっては気持ちがいい。なんかこう自分が心の広い人になった気がするから。でも集団の中にそっと居る子ども達にだって好きだ・やってみたいと心が動く瞬間はあたりまえにあって、周囲の無遠慮な視線の薄っすらした毒気だって「いや、好きだから」で中和してしまえる強さの芽はちゃんとある。夏休みに出会った図書係4人が見つけた小さなやりたい気持ちの置き所を地味に密かに護り育てる、ささやかでしぶとい勇気の物語。夏休みに♪2023/08/21
白雪ちょこ
25
図書委員になったことにより、夏休みの課題を仕上げるため、音楽を作ることになった4人。 性格も声もそれぞれバラバラだけれど、気持ちを一つに、前へ進んでいく様がとても爽やかで良かった。 他人から聞けば、そこまで気にするようなことではなくても、本人にとってはとても重いこと。 それを一生懸命越えた幹の姿にも、胸が熱くなった。 SNSの恐ろしさ、中学校という名の小社会、ちょっとしたことの不穏な空気なども描かれており、最初から最後まで爽やかで、元気の出る内容だった。2023/05/29
tomtom
16
幹が先生に勇気を出して気持ちを伝えた場面が良かった。偶然出会った4人だから、他の人には言えなかった自分の好きなことを出して作品を作ることが出来たんだろうと思う。2022/02/05
奏
9
図書委員で同じ当番グループになった中学一年生の四人が夏休みのグループ課題に取り組むためバンドを組むことに。ギターを佐々矢、ピアノを幹、ボーカルを夏野、コーラスと作詞を典が担当し、クラッシック音楽に歌詞をのせて歌う。アイデアを出し合ってゼロから作り上げていく楽しさや高揚感が伝わってくる。仲間を思い合い、好きなことを好きな仲間と続けたいというまっすぐな中学生たちの気持ちが眩しく、さわやかな読後感。夏休み中も学校図書館を開館して、生徒の当番もあるってすごい! 2023/02/11
とも
8
娘のお薦めだったので読んでみました。 いままでの選書でノーマークだった事を後悔するくらいすごく良かった!! 中1の夏から秋が濃厚過ぎて、あの頃の時間の経過が濃密だったことを思い出しました。新しい事をするって言うことのワクワクと、でも周りの目がとても怖い気持ち、それでも前に進もうとする姿にぐっときます。昨年まで小学生だった中1の子の話だと思うと余計に応援したくなります。2023/09/06