文春e-book<br> 零の晩夏

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文春e-book
零の晩夏

  • 著者名:岩井俊二【著】
  • 価格 ¥1,800(本体¥1,637)
  • 文藝春秋(2021/06発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784163913889

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内容説明

岩井俊二が描く、生と死の輪郭線。
モデルが例外なく死に至るという“死神”の異名を持つ謎の絵師ナユタ。その作品の裏側にある禁断の世界とは。渾身の美術ミステリー。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

鉄之助

276
スタートが映画監督の岩井俊二だけあって、読んでいて映像が目に浮かぶようだった。謎の画家ナユタが描く絵画のモデルが次々と死んでいく。彼の作品は「死神伝説」となってさらにヒートアップ。場面転換がスピーディーでどんどんはまってしまった。まさに、「絵画ミステリー」。堪能しました。2021/12/22

いつでも母さん

197
『生と死の輪郭線。絵画ミステリー。』と帯にある。なんだろ、読んでいて映像が浮かぶのだ。(これはは岩井俊二ならではか?)根津に操られて謎を解く過程で骨が出て来て、あらあらこの話は何処へ?と長く感じたりもしたが、概ね面白く好みのラストまで読んだ。(って、かなりの上から目線で申し訳ない)2021/08/26

ちょろこ

154
心地良さで始まり、終わる一冊。描かれたモデルが必ず死ぬという"死神"と噂される絵師の謎に迫っていくミステリチックでラブな物語。これ系は好き。一枚の絵画に出会う序盤から柔らかな心地良さに包まれ始める。謎の絵師に迫っていく過程は微妙なラブの魅せ方が絶妙、かつ知りたい欲の誘導が巧いなという印象。そして何となく感じていたものが綺麗に重なり合うかのような瞬間もまた心地良い。必然か偶然か、今までの出会いと出来事は全てこの瞬間のためだったのか…考えるだけで幸せ気分。最後も柔らかな心地良さに包まれる素敵な読書時間だった。2021/09/19

モルク

123
広告代理店につとめる花音は零の「晩夏」という1枚の画に強く惹かれる。社内スキャンダルにより退職し美術雑誌のライターになり、そこでの取材は死神の異名を持つ「ナユタ」に関するもの。ナユタの関係者にあたっていくうちに次々と新たな疑問が…いったいナユタって何者?高校の後輩加瀬との偶然の再会、死を求めその境界をさまよう医師染井、元職場の浜崎そして真実を知りながら謎かけばかりの画商根津…様々に絡み合い真相が明らかに。そしてまた零の「晩夏」へと…。テンポもあり読みやすい、読み応えもある。読後暫しその余韻にひたる。2021/12/18

みかん🍊

97
美大を卒業後就職した広告代理店をあらぬ噂を立てられ退職した花音は美術雑誌の記者の職を得て作品のモデルたちは死に至る死神と言われる正体不明の「ナユタ」という絵師の取材をする事となる、彼は誰でどんな背景を持ってこの絵が描かれているのか、取材先で様々な人と出会うがアーティストというのはあまりに個性豊かで繊細で常人とは違う感覚の持ち主が多い、そうでないと個性的で人の目を惹く作品を生み出せないのかもしれない、ミステリでありながら岩井さんらしい幻想的で巡り合わせや運命を繰り入れられた純愛小説でもある面白かった。2022/03/31

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