内容説明
59万部突破『生存者ゼロ』の著者が放つ最新作!
東京に謎の武装集団が極秘裏に上陸し、都内各地でテロ行為が発生。
明確な他国からの侵略と断言できないなか、政府は警察権で制圧を図るが、大規模な戦闘行為を招き多数の死傷者を出してしまう。
首相はついに、自衛隊の出動を決断。が、精鋭部隊の第1空挺団が敵の策謀に嵌り、壊滅。中央即応集団を投入し、決死の攻防戦に出る。
自衛隊総合情報部所属の情報官・真下は、テロ組織を率いている人物の居場所を突き止めるべく奔走するが……。
敵の正体は? 真の狙いは? 首都機能に大打撃を与える盲点とは――
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
270
『生存者ゼロ』が穴だらけの生物学・地質学知識を勢いで乗り切った?のに対し、比較的硬派なテイストにまとめようとした印象。燻銀とは到底いえないが、人間同士の争いになったことで、前作ほど滅茶苦茶やっているようには感じない不思議。とはいえ、やたら法律の名称を出して箔づけ狙っているような会話や、切れ者のようでいて物語の都合にあわせて肝心な時に行動力が鈍るハン大佐、そもそも尻尾をつかまれて国際問題になりかねないリスクを多数内在した派手すぎる軍事行動等々、やっぱりツッコミを入れながら読むのが正解。2023/09/13
射手座の天使あきちゃん
234
超大型台風の首都圏接近にまぎれて重火器で完全武装した北朝鮮の精鋭部隊が東京壊滅をめざして都内各所でテロ攻撃を仕掛ける。 複雑かつ曖昧だらけの法制下で自衛隊は首都・東京を守りきれるのか? イスラム過激派も北朝鮮の弾道ミサイルも中国の海洋進出も自分たちには無関係と思っている能天気な日本人よ、この小説が現実になる日はすぐそこにあるぞ 準備と覚悟は出来ているか!? と問われているような手に汗握る小説でした。 ただ法解釈の説明が冗長であきちゃいました(笑)2016/11/06
サム・ミイラ
206
パンデミックの脅威を描いた生存者0とは違い、北朝鮮と中国との国際情勢バランスと安全保障問題をテーマにしたリアリティある物語だった。予想を上回る面白さ。自衛隊を扱った「土漠の花」とはアプローチは異なりいわばこちらは日本版トム・クランシーといったところか。首相の演説に涙。ただラストの始末の付け方には不満が残る。違う形なら最高の一冊になっていたはずだ。非常にもったいない。でもこの会議の連続は何かに似ている。そうだ、この前観たシン・ゴジラだ(笑)2017/07/12
ちょこまーぶる
145
次のページはどうなるの?って感じながらの一冊でした。東京にテロ集団が襲って、それに対応する政府・自衛隊・警察などの死闘を描いているが、この手の内容につきものの政府機関の偉い人たちの愚かな言動などに対しては、どの本を読んでもあきれるんですが、そこが面白いんですよね。そして、その政府の法律に縛られたゆえの判断・決定の遅さという日本の弱点を見越したテロ集団の作戦は見事だなぁ~とテロ集団に関心した次第です。ですが、現実に起こっても不思議ではないテロに対しての嫌悪感も強くなったのも確かですね。でも、面白かったなぁ。2017/07/26
nobby
142
大型台風が迫り来る中で、首都東京を襲うテロの脅威。その圧倒的に追い詰められていく展開を味わうには、まず日本政府の組織や役職の複雑さをいかに流して読み進められるかがポイント(笑)序盤から明らかにされているテロ組織の正体は、現実的にも感じられ実に生々しい。それ故にか残虐極まりない殺戮の様子にも説得力がある。自国のかつてない危機に正確に対峙出来る者、それでも尚その立場や利権にすがる者が対比されるのも分かりやすい。前作と違って、決断出来る首相の存在は心強く、何より自衛隊を鼓舞した演説には思わず共に魂揺さぶられた。2019/02/05