講談社文庫 偽薬

著者名：江波戸哲夫【著】

講談社（2021/06発売）

• ISBN：9784062733649

内容説明

人命か、企業論理か？　夢の特効薬は毒薬なのか？　新薬開発の裏に渦巻く野心と葛藤。医療・企業の権力闘争を描く長編。製薬業界の裏側を抉る！　――大協製薬が社運をかけて開発した、脳梗塞の画期的新薬「ＤＫー７７７」は、すでに臨床試験に入っていた。だが治療中の患者が死亡し、開発本部の野口は、新薬の重大な欠陥を発見してしまう。折しも社内では、創業者派と天下り社員派の権力闘争が激化していた。綿密な取材で新薬開発の裏側を描く、医療・企業小説。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[まつうら]

新薬の開発には巨額のカネが動く。するとそこに利権が生じ、悪いことを考える輩が群がってくる。。。そんな厚労省と医薬品業界の裏側がよく見える作品。そのせいで、かつて日本が開発した新薬は欧米からあまり信用がなく、国内でも患者が危なくなる事件があったという事実に驚いた。大協製薬開発課長の野口は、この利権と生命を預かる重さに挟まれて苦悩するが、副社長の春樹はこれを逆手にとって、経営者として力強く成長していく。春樹は見ていてかっこいいが、等身大に迷う野口はいかにもなサラリーマンで、親近感を感じる。

2022/01/21

[りけ]

★★

2009/03/11