資本主義だけ残った――世界を制するシステムの未来

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資本主義だけ残った――世界を制するシステムの未来

  • ISBN:9784622090038

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内容説明

米国に代表されるリベラル能力資本主義 vs 中国の政治的資本主義。激化する資本主義同士の対立の根本的病弊を喝破。ベストセラー。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ばたやん@かみがた

90
《格差拡大を内蔵したシステム》真に冷徹で将来へ向けた楽観視を許さない著作です。世界の人々は、概ね米国中心とする先進国の「リベラル能力資本主義」と中国に代表される植民地から革命を経て現在高度な成長遂げている国々の「政治的資本主義」の2つのいずれかの下におかれている。激しいイデオロギー対立が両者間で繰り広げられているが、本質は実はそこにはない。なぜなら、グローバリズムを背景に拡大する一方の所得格差が生まれている点には変わりはないからだとするからです。(1/3)2021/12/18

Sam

43
筆者はかの有名な「エレファントカーブ」を提唱した経済学者。本書も読み応えあり。筆者は、いまや世界唯一の社会経済システムとなった資本主義だが二つのタイプの資本主義が覇権を争っているとする。一つは欧米で発展してきた「リベラル能力主義資本主義」、もう一つは国家が主導する「政治的資本主義」。前者はまさに米国であり、その分析内容はサンデルの近著「能力主義は正義か?」にほぼ完全にシンクロしている。後者はもちろん中国。ここら辺からも面白いのだが字数が足りないので結論に飛ぶと、最終章で「リベラル能力資本主義と政治的2021/07/25

koji

20
本書の論調は、21世紀になり、資本主義vs社会主義というイデオロギー的対立が消え去って資本主義一択となり、それが米国型の「リベラル能力資本主義」と中国型の「政治的資本主義」に分かれるが、そこには「格差」と「腐敗」という共通因子が存在し「暗い」未来を暗示しているとするもの。①アジア共産主義の分析、②一握りの人が資本からも労働からも稼ぐ不平等格差拡大社会の登場、③腐敗と結びついた政治的資本主義の加速度的成長等著者の慧眼にハッとさせられる所が多く読み応えがありましたが、解決策の困難さに暗澹たる思いになりました2022/10/21

confusion_regret_temptation

12
グローバル化が進み、利益の追求の仕方に違和感を覚えていたが、この書である程度その違和感の源が理解できた気がする。そしてそれでもこの資本主義以外の道は無いことも。「つまり私たちは、自らの最も不愉快な性質のいくつかを存分に発揮しないかぎり、自らの物質的な生活を向上させることができないのだ(p218)。」これに尽きる。2022/04/23

hurosinki

7
経済発展に着目して、自由主義国家とそうでない国家との政治経済システムを理論立てるアプローチはダグラス・ノース氏やアセモグル氏と似ている。本書の枠組みの特徴は資本主義という両者の経済システムの共通性を強調しているところだろう。20世紀の貧しい第三世界(中国含む)が採用した社会主義体制も、①封建的生産関係と②外国支配を打破して資本主義的な経済発展に至るための通過点に過ぎない。2021/10/22

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