渋谷系

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渋谷系

  • ISBN:9784401640089

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内容説明

音楽、ファッション、アート、カフェ……あらゆる若者カルチャーをリードしてきた渋谷に90年代、バブル崩壊とともに突如誕生した「渋谷系」。
今日の「オタク」文化の元祖とも呼ばれるムーヴメントは、近年の90’sリバイバルとともに再び脚光を浴びつつあります。レコード/CDショップの密集地として有名な宇田川町を中心に発信された渋谷系は、テレビ、ラジオなどにも影響を与えながら全国に飛び火し世界からも注目されます。

本書では多くのアーティスト/関係者の証言をもとにさまざまなデータと比べながら文化/社会的な見地で検証。80年代の胎動期から出発し、どのように生まれ、なぜ衰退していったのか、その背景を生々しく描き出します。

【CONTENTS】
第1章 源流を求めて
イントロ
百軒店
渋谷ヤマハ
マンハッタンレコード
宇田川町デビュー
円高と世界一のレコード村
ゼスト
渋谷系の語源
○○系○○関係
“いわゆる”渋谷系
コジャレ系

第2章 街の文化、レコードの文化
パルコがつくったおしゃれ都市
谷底の街に革命が起こる
カフェ文化
サバービア・クール・サマー・パーティー
都心の中の郊外
渋谷系総本山
ルーティン
ジャズファンク
レアグルーヴ
リスニング&サンプリング
オールドスクールの真理
渋谷インザハウス
ジャパニーズポップス

第3章 DIY
レンタルレコード
インディーズ
ディクショナリー
フリーであることの真意
U.F.O.とネットワーク
バァフアウト!
幻のニューウェイヴ喫茶
幻のニューウェイヴショップ
カセットマガジン
TRA
メリー・パーム
フリー・ソウル
ピチカート・ボックス
マック以降~インターネット以前
コンテムポラリー・プロダクション

第4章 モッズとアシッドジャズ
東京モダニスト
ハタチでモッズシーンをつくったオトコ
闘うモッズ
愛憎のモッズ
アシッドジャズ
アシッドジャズ=渋谷系
サウンド偏重主義
日本人の雑食性
東京アシッドジャズ

第5章 呼応する街
渋谷系の母
ズー~スリッツ
ラテングルーヴ
下北ファンク
下北ソウル
サクラヒルズソウル
ファミリー
キョウト・ジャズ・マッシヴ
京都アンダーグラウンド
京都ニューウェイヴ

第6章 千の秘密
東京クラブジャズ
キラー・ダンサー
奇跡のラウド・マイノリティ
渋谷系ミーツ・ジャズ
オリジナルなJポップ
ミリオン・シークレッツ・オブ・ジャズ
渋谷ローカル

第7章 フリッパーズ症候群
フリーコンサート
海へ行くつもりじゃなかった
パンク・ビートルズ・ネオアコ
パンクに恋した少年
ロリポップ・ソニック
ネオアコに恋した少年
ネオアコ文学
渋谷語
渋谷系の原理原則
消えた職業作曲家

第8章 渋谷系が遺したもの
HMV
渋谷系衰退
渋谷の現在
ビットバレー
ビタースウィートバレー
カプセル
アキシブ系
シブヤのアキバ
メディアミックス
アウトロ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐久間なす

40
「渋谷系」を紐解いた歴史書。 「渋谷系」が流行っていた頃は、まだ赤ん坊だった私。そんな私が知識として知っているのも、90年代前半の流行していた頃の話。 それなので、渋谷系以前の話は、大変興味深く読みました。 ただ、そこにページ数が割かれすぎていたので、肝心の流行していた時代の話や、衰退した現在の話については物足りなかったです。今作は渋谷系の歴史がメインだったので、今度は音楽評論をメインにした本を読んでみたいと思いました。2015/02/02

なる

33
渋谷系という現象を著者自身の経験とインタビュー形式とで肉付けして体系的に解説している。その勃興期から関わっていたようで、かなり具体的なワードが並んでいて渋谷系に興味がある人向け。道玄坂のヤマハ、宇田川町のシスコ、ノア渋谷、公園通りのカフェ・アプリミディ…『Barfout!』や『サバービア』なんて単語に胸が踊る。邦楽が好きなら避けては通れない渋谷系。全盛期を体験することはできなかったけれど残滓みたいなのを感じとれる。そのいくつかの場所はもう存在しないけれど彼らが残した音楽は確実に今も根付いている。2021/09/01

アズル

16
図書館本。興味は存分にありますが、読み進めるのが妙にかったるく感じ、途中でやめました。渋谷系なムーブメントが躍動していた頃、私は田舎の学生で、ベレー帽をかぶったオリーブ少女など目の当たりにしたことはありませんでした。音楽的な部分から渋谷系は始まったと思いますが、おしゃれに生きていくセンスのようなものは今でもしっかり私の胸の中に刻まれています。2018/04/22

ミエル

15
体型的時系列に語られる渋谷カルチャー史、良くまとまっている。とは言え、90年代からしか知らないのだが…渋谷文化で育ち、いまだにそこからあまり遠くに行っていないので、過去形や「衰退」という言葉に寂しさを覚える。表面的には綺麗に取り繕われた現代の渋谷という町よりも、汚くて猥雑で暑苦しい当時の渋谷、懐かしい固有名詞に切ない気分、笑。多感な時期に触れた文化は、その人の成分のひとつとして生き続けるのではないかと、自分を通して体感実感する思い。。本編の感想よりも個人の思い入れ、ノスタルジーばかりの読了感。2015/03/11

nizimasu

13
著者の若杉実三と言えば、まさにクラブミュージックの伝道師である人でリミックスなどの雑誌で随分、記事を読んでいただけに個人的には懐かしい。そんな若杉さんが渋谷系について書いているのだから面白くないはずがない。渋谷系を定義するよりも個人的な渋谷系との関わりを通して、渋谷系という現象を解き明かしていく。サブカルは多分に個人的な体験と結びついているのは、宮沢章夫さんの論考でも明らかだけど、その点について若杉さんがイギリスのムーブメントであるアシッドジャズと対照していて紹介しているのが面白い。同時代の醍醐味を満喫2014/11/02

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