山と溪谷社<br> ヤマケイ文庫 ヒグマとの戦い

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山と溪谷社
ヤマケイ文庫 ヒグマとの戦い

  • 著者名:西村武重
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 山と溪谷社(2021/06発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784635049184

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内容説明

大正から昭和にかけて猟銃を携え北海道の原野を駆けめぐった、ある狩人の若き日の冒険譚!
狩猟の隠れた名著を未公開写真も収録して文庫で復刊。


100年前の祖父は山野を縦横無尽に駆け巡り、狩猟に釣り、温泉開発、
鉱山発掘などフロンティアマンとしてその時代を生きていた。

100年前の根室原野を駆け巡った祖父の冒険談の楽しさが伝わると幸いです。
(「祖父・西村武重について/西村穣」より)


私の叔父(北海道石狩郡当別村)が狩猟家であったので、私の家(札幌郡篠路村)へ訪れると、
大きなガンやカモ、ウサギなどをおみやげに時々持って来た。私は大人になったら狩人になろうと思った。

私は、明治四十四年より今日に至るまでほとんど一生を、未開の森林渓谷を探して、狩猟と釣りに費やしたようなもので、
最早人生の終着駅にあり気息奄々たる老爺となってしまった。この本にあるものは大正から昭和にかけての若き時代の思い出の昔話である。
(「まえがき」より)


【内容】
◆祖父・西村武重について 西村穣
◆まえがき

◆ヒグマとの戦い その1
風連原野のヒグマ/牧場のギャング/茶内林野のヒグマ/養老牛のヒグマ/ケネカ川の大ヒグマ

◆カクレ原野とガンピ原
キネズミを追って/キツネに化かされたか?/カクレ原野の一夜/アマッポーとヒグマ/ヒグマとの死闘/篠路村の浪さん/ウサギの止め足/
キツネ狩り/再びキツネ狩り/ピヨッペの砂金山

◆アイヌの狩猟
酋長榛幸太郎/さんけ爺々/老アイヌの昔話

◆ヒグマとの戦い その2
千島エトロフ島のヒグマ/エトロフ島へ/指臼の硫黄山/ヒグマの襲来/硫黄鉱調査/東海岸を探る/再びヒグマが……/
ヒグマを倒す/紗那神社/美しい未亡人/島との別れ

◆尾岱沼と野付岬
野付半島のガン/カワウソと狂女

◆養老牛温泉を中心として
原野移住/養老の滝/ヤマベ釣り/カムイヌプリの猛吹雪

◆あとがき
◆解説 服部文祥

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kinkin

93
このあいだ読んだ『北海の狩猟者』を描いた著者によるヒグマとの対決が描かれている。対象から昭和にかけて北海道で各地を歩きヒグマと対決する話は冒険譚としても非常に面白かった。途中アイヌのヒグマ寮のことやアイヌの長老が生涯400頭くらいを仕留めた話、戦前のエトロフ島でのヒグマや当時の様子など。読んでいるとヒグマのパワーと恐ろしさを改めて感じた。一番いいには共生できることだろうけどやっぱり猛獣だ、出てくれば仕留めるしかないと思う。ただ狩猟ができる人がどんどん減ってきていると聞く・・・図書館本2023/10/13

Shoji

35
勇猛果敢な明治の男が山に入り狩猟することの随想録である。現代ではクマが人間社会に出没し、人的被害も珍しいことでなくなった。アーバンベアと呼ぶらしい。専門家の話によると、悪いのはクマでなくヒトと言う。この本に書かれたクマはもちろんアーバンベアではない。純血野生種の熊だ。ヒトもクマも必死。狩猟を通して見つめるクマの生態、狩猟にまつわる民俗など、興味深く読めた。2023/07/22

ショア

34
約100年前の北海道の猟師によるヒグマとの戦いの手記。友人が目の前でヒグマに食い殺される様、罠を見破り草葉をかけて気づいていることをアピールするヒグマの賢さ、ヒグマの胃袋から出る被害者のそれなど、目の前で起きたことがリアルに描かれいるヒグマとのやり取りが臨場感緊張感たっぷり、戦前の択捉の様子や吹雪で登山隊が狂う様など読み物としても面白い。当時の写真が掲載されておりヒグマのでかいこと。イトウもでかい。巻末の服部文祥氏の解説というか自論も興味深い。2023/10/28

mahiro

26
ヒグマと戦うと言うより、大正期から昭和にかけて北海道の原野や森林を狩猟の為にかけ歩いた狩人の体験談。北海道生まれの私としては篠路や千歳付近など馴染みの土地や行った事のある土地が多く、開拓時代の様子やまだ普通に暮らしていたアイヌの人たちの様子が興味深かった。当時の北海道の大地の豊かな事…川を黒くして遡るサケや木の実でも取るようにいくらでも取れるきねずみやウサギ、すぐ側に当たり前にいるヒグマ…あまりにもためらいなく獲物を撃ち殺す描写に抵抗はあるが今近郊に現れるヒグマ問題とも重ねて考えさせられた。2023/02/02

21
羆と至近距離で相対する恐怖。作者西村さんの体験記。他にもカモ猟やキツネ、カワウソ、ヤマメなど話も。2025/03/30

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