内容説明
解散に向かう4人は、レコーディングの未来へ、横断歩道を渡った!
それまでとはまったく違うサウンドになった本作を、影で支えたエンジニアチームの力学にも光を当て、コンソール、モーグ、スピーカーなどの技術革新の面からも徹底解説。
序文:アラン・パーソンズ(エンジニア、音楽プロデューサー)
解説:高橋健太郎
アラン・パーソンズによる序文
イントロ 《アビイ・ロード》リリース当時の酷評
1 真空管の響きと、トランジスターの響き
2 モノラルとステレオの違い
3 モーグとの出会い
4 途轍もないメドレー
5 ぜんまい仕掛けのピアノとミルズ夫人
6 名演奏家たちの匠の技
7 ジョンとヨーコの豪邸
8 《レット・イット・ビー》の完成と1970年
9 ビートルズ帝国の崩壊
謝辞
参考文献
注釈
索引
解説 ビートルズのスタジオの音 高橋健太郎
湯田賢司(ゆだ・けんじ)
1965年東京に生まれ仙台に育つ。筑波大学で外国人のための日本語教育と言語学(音声学)を学んだ後、詩人アレン・ギンズバーグが共同設立したコロラド州ボウルダー市のナローパ・インスティテュート(現ナローパ・ユニバーシティ)の文芸創作・文学学科を卒業。主な訳書に『ボブ・ディラン インタビュー大全』(DU BOOKS)『ハリー・スミスは語る 音楽/映画/人類学/魔術』(カンパニー社)など。
デザイン:相馬章宏(コンコルド)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
aloha0307
25
ビートルズ最後の録音:アビーロード🎹 ロックの歴史上不動の地位にあり、グループの軌跡(&奇跡)を鮮やかに刻印してます🕰️ 以前から音がいいアルバムの印象🌸音づくりにも秘密が…トランジスタ回路搭載のTGコンソールです 8トラックを潤沢に使い、何度もオーバーダビングして音響的温かさと音を分離させました。I Want You🎵でのモーグ・シンセサイザーの響きはスゴいですよね😊 大宇宙のど真ん中に孤絶されてしまった感覚…🌌2021/09/29
LNGMN
9
原題は「Solid State」で、録音機器・コンソールのパーツが真空管からトランジスタに変わったことが「アビーロード」の音質を決定づけていることを謳うが、内容は録音技術よりも「アビーロード」の制作から解散までの内情や蘊蓄についてが9割方というところ。マニア向けの細かい話(この曲は◯年までには原型ができていて、元ネタは××で、登場人物のモデルは云々)が多くてダレ気味だったが、映画「Get Back」を観ていたおかげでイメージがうかび、なんとか乗り切れた。2024/01/18
Kolon
2
最もメンバー間の関係性が悪い中で制作されたABBEY ROAD。その謎はこの本を読んで氷塊する部分があった。 結局のところ、彼らの関係性をギリギリ繋ぎとめてくれたのは、新しい音楽が産まれる現場の興奮だったのかもしれない。 約8年で燃え尽きるような解散したが、天才集団が共同して1つの事に集中出来る限界はこの位の期間なのだろうとも感じた。 2021/12/09
yoyogi kazuo
0
ジェフ・エメリックの本が有名だが、こちらもそれなりにアビイ・ロードのレコーディングについてよくまとめている。でもまあ、ビートルズ本なら全部読みたいという人以外は敢えて読む必要ないかな。2023/12/02
ishida
0
末期ビートルズのあれやこれや…2021/12/26