内容説明
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ぼくの「お父さん」は絵本作家。ずっと家にいて、一緒に遊び絵を描く。いつでもなんでも、絵に描く。夕飯に出た旬のタケノコを食べずに、絵に描く。そしておかずは冷めていく……。ふつうじゃなくて、ふしぎでちょっと恥ずかしい。ただの変わり者? それとも――。なつかしい「あの頃」を思い出す、全編オールカラーの最新作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
seacalf
192
何の気なしに図書館に予約してから待って、ひたすら待って、新記録の1年3ヶ月待ち。ようやく読めた。芸風同様のおっとり感をそのまま漫画にできるのは矢部さんの才能だ。ゆるい雰囲気を醸し出しているので読むだけでほのぼのできる。絵本作家であるお父さんの生態の面白さもさることながら、段ボールでロボットごっこをしたり、屋根に登って花火を見たりと、当時の社会風景をうかがえるのも楽しい。父以外にも母や姉の家族の記録にもなっていて、こちらもかなりグッとくる。自分の父について、こんな風に素直に表現できるのは本当に素敵なことだ。2022/11/15
ネギっ子gen
131
ベストセラー『大家さんと僕』著者が父親を描く、ほのぼの家族漫画。著者の父が絵本作家ということを知って、どういう親子関係かと気になっていたところだったので、嬉しかった。【人物紹介】<お父さん:たろうのお父さん。絵本や紙芝居を作るのが仕事。いつも家にいて、ずっと絵を描いている。なんでも絵に描くから、家族はちょっと困っている。陽気で自由奔放。たまにちょっとセンチメンタルになる>。ぼくにとって「お父さん」は、普通じゃなくて、不思議で、ちょっと恥ずかしい……。思わず共感してしまう、懐かしい「あの頃」を軽妙に描写。⇒2021/09/20
ちいこ
123
年齢が近いので、よくお父さんとの思い出(ノートとかあるとはいえ)を覚えているなぁ…と思った。絵柄が優しいから、ほっこりする。2021/06/20
bura
107
矢部太郎の幼い頃の物語。画家で絵本作家の父親を主人公にしたマンガです。マイペースなお父さんにちょっとあわてながらも過ごす家族たちの楽しい日々。全ページ水彩タッチの色合いが良く、特に四季を描く見開きのイラストが秀逸です。お父さんから渡された生まれた頃の作者や姉の記録はノート38冊にもなっていて、これがラストのマンガとして描かれて、とても心が温まりました。良作です。2022/01/17
sayuri
107
矢部さんが絵本作家の父・やべみつのりさんと過ごした幼少時代を綴ったコミックエッセイ。「うさぎのピッピ」「魔法」「つくし」など全16話収録。普通に考えれば仕事に行かず、自宅に来てくれた編集さんに原稿も渡せず、息子や息子の友達と遊んだり、全力で野菜を作ったりダメダメなお父さんなんだけど何故か憎めない。しっかり者のお母さんに怒られてショボンとする様子や、娘と同じ変な髪型にされてる所なんてツボにハマって思わず噴出してしまう。ほのぼのとした絵のタッチが穏やかな家族の風景にぴったりマッチ。なんか良いなって思える一冊。2021/10/06