内容説明
上海の商社マン・王のボディーガードを任された香港在住の元自衛隊員・城戸。王の秘書も連れ降り立った福岡空港で、こちらを見張る刑事の存在に気づく。想定外の事態を訝り始めた矢先、秘書が王を射殺して自死、城戸は殺人の濡れ衣を着せられてしまう。警察は秘密裏に築く監視システムを駆使して城戸を追うが……。傑作ノンストップ警察ミステリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
78
最初のシーンの緊迫感はそういうことか。あのプロローグがずっと読む原動力だった。警察の中のいくつかの権力は、並行して交わることがないのか?と思っているところに少し脱線があるとおもしろくなる。しかし、脱線を起こすのは、その並行な線の端にいる得体の知れないものと化した権力者であり、もはやなにが正しいのかわからなくなる。2025/01/08
サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥
73
上海の商社幹部の警護を請け負った元自衛隊員の城戸。だが、訪問先の福岡で彼が射殺されてしまう。容疑者として追われる身となる城戸。刑事部、公安部、海洋進出を狙う中国と日本の関係、物語の構図には目新しさは無いが、テンポ良く読ませるストーリーは面白い。大規模な監視システムも知らないだけで、実際には既に運用されているとしたら怖いなぁ。ラストがもやっとした感じなのは真相は闇の中ということだろうか?尖閣水域に毎日のように出没して日本を牽制するお隣の国。実際にこのような事が起きたら日本はどう対応するのだろうか? ★★★+2021/06/13
ナミのママ
62
単行本で読み逃していた作品。6年前にはすでにこんな監視社会だったのかと驚いた。主人公は元自衛隊のレンジャー部隊・城戸、現在は香港在住。依頼されたのは上海の商社マンのボディガード。さほど難しくないと思われた仕事は福岡空港に到着した時から不穏な気配を感じさせる。中国、公安、捜査一課に記者を巻き込んでのノンストップ作品。展開は早くページ数を感じさせずにサクサク読めるが、最後は尻すぼみ。国内が舞台だから仕方ないのかな、でも続編は読む。2025/09/19
Walhalla
27
元自衛隊の特殊部隊でレンジャーの称号を得た兵士が主人公です。公安警察が構築した監視システムが凄い威力を発揮しますが、その追跡をかわしながら事件の真相に迫る様子が格好良いです。主人公・刑事・公安の三つ巴の攻防に加えて、大物政治家の影を追うマスコミなども巻き込みながら、スリリングな展開で手に汗握ります。相場英雄さんのこれまでとは様相の異なる作品でしたが、なかなかハードな内容で面白かったです。2023/12/21
楽駿@新潮部
27
品川図書館本。「トップリーグ」の大畑氏を使ったスピンオフ。いつもの相場氏以上に、息つく暇与えぬ急転直下は、月村了衛氏かと思う感じ。その中でも、しっかり調査をして、今、そこにある危機を考えさせてくれるのは、やはり、相場氏!これは小気味良いし、もっと多くの人に楽しんで貰えても良いと思うんだけれどな。日本と中国の関係や、どれほど、監視体制が進んでいるのかとか、考えさせれる事は多い。そういえば、仙台の著名な作家さんが、東京と仙台の監視体制のの違いを踏まえた小説を書いていたな、とか、思ったり。面白いです!お薦め!2021/09/20
-
- 電子書籍
- 勝手に勇者パーティの暗部を担っていたけ…
-
- 電子書籍
- 悪役令嬢が正ヒロインを口説き落とす話。…
-
- 電子書籍
- ニューズウィーク日本版特別編集 世界の…
-
- 電子書籍
- アンタゴニスト 5巻 ゼノンコミックス