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内容説明
天才とは、いったい何なのだろう。アインシュタインなどの非凡な才能の持ち主は、私たちが精神的な欠陥とみなす「脳の特異性」を持っていた。
オックスフォード英語大辞典は、天才を「並外れた知的能力や創造力その他の天賦の才」と定義している。この無駄のないシンプルな定義は、才能と弱点をあわせ持つことを明確にするのに役立つ。
あらゆる分野で平均以上の結果を残す天才に匹敵すると言っていい「ハイ・アチーバー」とよばれる人たちが存在する。彼らは努力によりその能力を開花させた人たちだ。そして、天才と同様の特徴を持っている。
「脳の特異性」にはさまざまな種類がある。本書では7つの特徴で分類した。
1.学び方の特異性(学習障害、読み書き障害)
2.注意力散漫(ADD、ADHD)
3.不安(不安障害、強迫性障害、パニック障害、恐怖症)
4.憂うつ(うつ病、気分変調症、不快気分)
5.気分の浮き沈み(双極性障害)
6.拡散的思考(シゾイドパーソナリティ障害、統合失調症)
7.関係性を持ちにくい(自閉症、アスペルガー症候群)
この7つの特徴は、脳の特異性を持つ人々の大部分をカバーするものであり、才能とのかかわりも深い。
本書の目指すところは、天才と脳の特異性との相関関係を明らかにし、そのずば抜けた才能を育てサポートする家族や地域社会に助力することだ。弱点を補い、彼らの強みを最大限に活かす道を探る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
宇佐見
5
特異性のある人は、別の部分で大きな才能をもっている可能性がある。だから、差別などせずに、その人の特長を伸ばしていくべきである。そんなことは、もちろんわかっているのだけど、様々な論文を引用してロジカルに証明したことに意義があるのだろう。あぁ、こういう人、いるよね。という、身近な人に当てはめながら読んだ。★★★★☆2019/03/29
juneberry
1
障害才能との違いは微差だとも感じる。現代のストレスから発症してしまうようなパニック障害やうつなども含めて、偏りとも感じられた。遺伝に関する記述については、少し気になった。2023/10/30
とり
1
AI関連の仕事をやっている関係で、人間の脳にも興味があり、本書を手にとった。ディスレクシア、ADD、躁鬱等の人々の中で、際立った才能を持つ人の事例を紹介している。フランスのドラマ「アストリッドとラファエル 文書係の事件録」の主人公は自閉症で、社会生活特に対人関係で困難を抱えるが、卓越した推理力を持っている。まさに、本書に登場するような人物。改めて、知能や才能って何だろうと考えさせられた。2023/10/25
ぴーたん
1
脳の配線と才能の偏りについて、それぞれの疾患(?)の特徴、当事者のインタビュー、そのような人達が活躍するためにどうしたら良いかなど、とても前向きになれる本。ディスレクシア、ADD、ADHD、うつ、双極性障害、自閉症、不安症、統合失調症など。 1章がいきなりディスレクシア。人類に占める割合は多く、ありふれているとのこと。 アメリカでは、ディスレクシアでも医師になってる人や活躍してる人がいるんだね〜! 「偏り」について少しポジティブに見られるようになるかも…?2022/04/25
マルカ
0
長所と短所はシーソーで、欠落した部分が大きいほど、反比例した才能は跳ね上がる。短所が無くなると、長所も無くなる。2023/05/01