内容説明
路地裏に迷い込む感覚、ふと思い描かれる天使の姿、机に有る「物」……日々の生活から浮かび上がってくる、豊かなことばたち。2016年9月より毎月、朝日新聞夕刊で現在も連載中「どこからか言葉が」の詩52篇を編む。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひらちゃん
69
「トゲ」「今は切り株」が印象に残りました。いくつになっても、とめどなく言葉は溢れてくるものですね。感性が若くってときどきハッとさせられます。コトバで膨れて生きてきて、コトバを脱いでしまったら、今度は宇宙で詩を作るのだろうか。2021/07/07
けんとまん1007
56
敬愛する詩人、谷川俊太郎さん。もう何冊目になるのだろう・・・しかし、今回は、どこか感じるものが違う。感じる色合いが、淡いのだ。もちろん、根底にあるものは変わらないのだが、どうしてだろう?自分の感じ方が変わってきた部分もあるのだろうが、谷川俊太郎さん自身の変化もあるのかなと。齢90歳からくるものもと思う。最後の詩の最後の一行・・・20億光年につながるように思う。2021/09/15
*
16
人にプレゼントした記憶ある…けど自分では読んでいなかった詩集。一行で景色が変わり、秘密を問いかけられる。次はどこに連れていってくれるのか、楽しみになる。『六月』『曲がり角』『以下次号』『見切る』『鎖』が好き。2023/06/14
ちよりる
15
改めて言葉の深さに心が否応なしに動く。何かを語りたくなる。語るべきことなど何も持ち合わせていないのに。たくさんのうたが心に残ったけれど、今回特に印象深かったのは「虹とICBMの二語のあいだに 詩は割り込めるだろうか」。割り込んで欲しいと切に願う。今、同じ空の下で行われているであろう殺戮について、詩人たちは何を想うのだろうか。わたしはニュースで目にすることすら辛く、専ら主人公たちが美味しそうに食べたり飲んだりするドラマなどに逃避している。「悲しむだけで私は十分に苦しんでいない」は正に脆弱なわたしそのもの。2022/05/31
双海(ふたみ)
14
再読。日々の生活から浮かんできた52篇の詩。「一行が立っています/素裸の少女のように/意味に毒されず/紙の雪原に」2022/03/24