内容説明
十津川警部は帰宅途中を襲われ、不覚にも誘拐されてしまう。彼が気付いたときには、不可思議な島にいた。島内にはある町の一角が、映画のセットのように忠実に作られていた。その島に連れてこられた十津川以外の者たちは、全員ある殺人事件の関係者だった。事件で有罪判決を受け、獄死した被告の父親が、無実を訴え続けた息子の無念を晴らすため、裁判で証言した証人七人に当時の証言を再現させると、証言の矛盾が露呈し、証人が殺される事態に。十津川は真実を見抜けるのか? 屈指の本格推理を新装版として刊行!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
オーウェン
61
十津川警部が突然殴られ、気付くと無人島の町に。 そこに集められた七人が裁判で証言した被告が刑務所で病死。 被告の父親が皆を集め、殺人現場の再現を七人に求める。 いわゆる法廷ものではあるが、その町でも殺人が起こるという形。 そもそも何故この場で殺人が起きるのか。 全員が証言で有罪の可能性があると宣言したにもかかわらず。 後半からは十津川警部が推理を発揮して、犯人を絞っていくのだが、そこは納得できる動機。 ただ終盤はかなり駆け足で終わらせた印象があるが。2023/06/07
ふう
12
目が覚めたら突然孤島に拉致られていた、ある事件の7人の証人と十津川警部。そこで次々と起きる殺人。”犯人”はいるけれど、果たして彼が”殺人犯”なのか。思いっきり本格ミステリの設定で予想以上に面白く読了。最終的に発端となった事件の真相も暴かれるが、オーラスがあまりにスパッとしすぎてて「え、ここで終わり?」という感じだったのがちょっと。もう少し余韻あってもよかったんじゃないかなあ。と言って東京帰って亀さんとお話とかだったらなくていい笑(ドラマだったら入れそう)2022/07/13
エヌ氏の部屋でノックの音が・・・
11
2021年 6月15日 発行 33冊目の本でもう読んでいた。2021/07/13
まり
10
図書館本。十津川警部が出てくるけど列車は出てこない。しかも拉致られて孤島にいるって…すごい設定。しかもいつもなら指紋や足跡とか物的証拠を突きつけたり出来るのに今回は議論だけでやっていくなんて…それはそれで、どうなるかと興味津々だった。それにしても裁判で証言しているわりに、みんな嘘ばっかりでビックリ。しかも平然としていることに、さらにビックリだった。最後、もうちょっとエンディングを楽しみたかった。2022/11/01
朱雨
10
十津川作品。トラベルミステリのイメージが強いですが、絶海の孤島が舞台。ある事件を目撃した証人者たちが集められた目的や、事件現場を忠実に再現した「街」の凄さ、それらがどうまとまっていくのか読んでいて面白かったです。少しの思い込みやささいな発言でもそれらが証言となり、複数人の声が集まれば……ちょっとした闇を垣間見た気がして怖くなりました。2022/07/12