内容説明
光源氏亡き後の、ジュニアたちの愛の物語――薫・桐壺院・頭の中将・朱雀院……光源氏を囲む貴族たちを、鮮やかに説き語る名著。タイプも雰囲気も違う男たちが、現代の読者の身近に、息づかいさえ感じられる、『源氏物語』現代語訳の一つのヴァリエーション。光源氏と嫡男・夕霧の魅力を伝える好著『〈源氏物語〉の男たち』(講談社文庫既刊)につぐ、パート2。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りず
4
前作に続き、本棚の飾りを引っ張り出し再読。宇治十帖は別人が書いたという説は取らず、作者は同じというスタンスの本作。私もその説取ります笑。昔はきらきら光る源氏君が大好きだったけれど、私も年を重ねるにつれ宇治十帖の方が人間的で好きなのです。でも…いくら人間的だと言っても薫はダメ人間過ぎて笑えてきますね。作品ダントツのダメ人間。そのまま苦悩しつつ生きてゆくのでしょうね。なんだか、現代に通ずる若者?新世代?若い人は源氏の君を知らないから~という古参女房の下りはそのまま千年変わらずですね。2018/11/25
麻琴
3
「『源氏物語』の男たち―ミスター・ゲンジの生活と意見 」の続編に近い作品で、前作で触れられなかった薫・頭中将・桐壺院・朱雀院について語られている。与謝野訳、谷崎訳、寂聴訳、今作著者の新源氏物語と霧深き宇治の恋既読、漫画等も読み大方の人間関係や話の筋はわかっているので無理なく読めた。源氏で人間的に一番魅力を感じるのは頭中将、そして一番人間のダメさに共感するのは薫だなと改めて感じた。そして桐壺院をさばけた粋人と評してるのがとても好き。 ☆42015/12/16
norisue
3
面白かった!今までは宇治十帖はじっとりどんよりしていてあまり好きではなかったのですが、この本を読んでちょっと印象が変わりました。源氏物語と一緒に書き手の紫式部も年を重ねていってたんですね。源氏物語も10年毎に読み返してみると自分の今の身の丈に合った新しい発見があるかも知れないですね。ちなみに私は朧月夜と玉鬘が好みのタイプです。2013/03/04
白玉
2
薫→桐壺院→頭中将→朱雀院と紹介していく今作。源氏と頭中将の血を引く薫と匂宮だけど、あの二人ほど思い入れが持てないなあ…と思ってた理由がこの本でようやく判明。桐壺院が慈愛と包容力に満ちた人物という論に、かなり印象変わります。負け組人生の朱雀さん、頑張れ…!2012/06/13
ねこすけ
2
田辺聖子って、古典に詳しく、ものすごい教養の持ち主なのに、全然それをひけらかす感じでない、平明な文章なのがいい。光源氏以外の脇役男性にスポットを当てると、源氏物語ってこんなに面白い本だったのね、と再認識できました。2012/03/18
-
- 電子書籍
- <デジタル週プレ写真集> 御伽ねこむ「…