内容説明
小林秀雄の”信仰”に迫る画期的評伝
今なお読み継がれる稀代の批評家が己の批評スタイルすなわち詩法を編み出すに至るまでの軌跡を同時代文学者らとの交流などから辿る。
解説・山根道公
※この電子書籍は2017年12月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
武井 康則
13
小林秀雄の評伝。第一部はデビュー前後の、言及は少ないが小林に影響を与えた人物として鏡花、ボードレール、長谷川泰子など。第二部はデビュー後のやはり言及は少ないが影響を与えた人物として堀辰雄、中野重治等を。第三部は小林が描いたドストエフスキー、実朝、西行を論じる。作品の優劣を問うのではなく、その作家の書いたものをどう読んだか、その思いを書く小林独特の文章を論じる。評伝なので、事実に中心があり、作品内容への言葉が少ないのが残念。確かに小林の世界観等の評論は数多いが。小林秀雄の宗教観への言及が新しいか。2022/03/03