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内容説明
財政の意義や役割を理解することを主眼とした,これまでにない財政学の入門テキスト。財政の基礎を学んだあと,貧困・格差が広がり分断が進む日本社会が抱える課題を,財政学の観点から解説する。複雑な制度や難しい理論を学ぶ前の,最初の一冊として最適。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kei-zu
8
「財政を学び、論じることは、私たちの生き方を問うことに通じるのである。」(156頁) 書名に「扉をひらく」とある。本書は、財政学の初歩的な知識や考え方についてわかりやすく解説する。 極端な財政出動の是非や消費税の要否など議論が少なくないもののほか、地方財政の役割など範囲は幅広い。 欧州では、社会保険料から税に国民負担を移す動きがあるという。社会保険料では所得の分配等の機能に限度があるという指摘は興味深い。 いろいろ考えさせられる内容でありながら、読みやすいので、財政にご興味ある方は是非。2021/01/17
koke
4
何度もお世話になっている「有斐閣ストゥディア」で財政学に入門。これを読んだからといって政府の予算がすらすら読めるようになる訳ではないが、日本の社会保障に改良の余地がアリアリだということは分かる。おそらく一時の減税や現金給付では何の解決にもならないだろうことも分かる。公正で賢い財政を望むばかりだ。同時に、私たち自身が根深い自己責任論と世代間対立をいいかげんに卒業しなければ。2021/11/02
エボシペンギン
3
理論というよりはトピック集という感じ。ストゥディアの編集方針がそうなのかな⁇租税の役割を、対立を乗り越えるために生かすことができるとの考えを知っているだけで、問題の見方は大きく変わると思う。兎角マイナス面ばかりを強調される分野、中立的なトピックを知っているだけでだいぶ違う。2021/05/06
あくぱ
2
大変に素晴らしい。財政を通し日本の抱える様々な問題点を包括的に扱っており非常に理解が深まった。読書案内もありありがたい。2021/01/28
のら
2
財政の役割は「人々のニーズを満たすこと」。財政をその視点で語ることにより、遠い存在に感じられる財政という存在が実は私たちの身の回りのことを語っている身近な存在なのだと実感できる。財政学の入門書として、予算・税・社会保障・格差・貧困・世代間対立等々の考え方の基礎を過不足なく語っており分かりやすい。各章の最後にブックガイド(良書揃い)が載せてあるのも入門書として好印象。かなりお薦めの一冊。2021/01/12