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内容説明
ある雨の日、学校から帰ると、かつおだしのいい匂いが立ちこめていた。ほら、包丁の音も。コトコト音を立てている鍋は、きっと肉じゃがだ。料理の苦手なお母さんがどうしたのかと台所をのぞくと……家事などしたこともない仕事人間のお父さんがエプロンをしていて、お母さんは家出した、と言う――! 元料理人の父と思春期の娘が、料理を通して次第に理解しあっていく物語。家族の回復を描く、心に美味しく幸せな気持ちになる作品
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
小夜風
28
【図書館】お父さんの作る料理も、学校での美雨ちゃんの頑張りも、お父さんとお母さんの馴れ初めも素敵だった……けど、子どもを置いて出ていってしまったお母さんにだけは、同じ母親として怒りを覚えました。それがなければこのお話は始まらないし、欠かせないエピソードなんですけどね。女子の複雑な友だち関係はキレイにまとまっていたけど、うちの子が読んだらどう思うか聞いてみたいな。高橋和枝さんの挿し絵も良かったです。2015/10/11
ベーグルグル (感想、本登録のみ)
12
料理が苦手なお母さんが突然家出をする。その時からお父さんが毎日のご飯を作るようになる。それまでギクシャクしていた父と娘だけど、料理を一緒に作り始め絆がうまれていく。主人公の美雨は学校の友達との関係にも悩んでいたが、本当に心から大切と思える親友が出来ていく過程が自分の中学時代を思い出しました。親友に会いたくなぁ。自分にとって関係ある人々との絆の大切さを教えてくれた素敵なお話でした。2015/10/23
mincharos
12
妹に勧められて読んだ。「お姉ちゃんもいつか家出してみた方がいいよ!」だって。児童書なんだけど、大事なことが分かりやすく丁寧に書かれていて、私も家族との日々の暮らし方について考えさせられた。一緒に暮らしている家族。それが「当たり前」になり過ぎてしまうと、大切なことを伝えることすらしなくなる。そういう状態でただ一緒に暮らしているだけでなく、きちんと会話をしてお互いを知る努力をしないと、もしかしたら溝がどんどん広がって収拾がつかなくなるのかもしれないと。美雨が勇気を出して友達に訴えたシーンでは涙がこぼれた。2017/09/04
Midori Matsuoka
6
高橋和枝さんの挿し絵が好きなのでずっと気になっていた作品。んー、もっと早く読めばよかった! 中1の美雨、家に帰るとお母さんが家出をしていて、学校では友だち関係に悩まされ、となかなかハードながらも一つ一つ丁寧に乗り越えていく、作者のしめのゆきさんの文体が魅力的な作品だった。 お母さんが家出をした後、お父さんが変わっていくのだけれど、その前後の家族の様子の描写と、お母さんが家出をする前後に演奏するショパンの「雨だれの前奏曲」の変化の描写が胸にぐぐぐっときた。 お父さんの料理と「雨だれ」が物語の大きなカギ。2022/10/29
pom
6
読みやすい。お母さんが家出し、家事炊事はお父さんが……。2015/08/24