中公文庫<br> 阿呆旅行

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中公文庫
阿呆旅行

  • 著者名:江國滋【著】
  • 価格 ¥1,034(本体¥940)
  • 中央公論新社(2021/05発売)
  • 中央公論新社 GW特大フェア ポイント40倍!(~5/12)
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  • ISBN:9784122070578

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内容説明

内田百閒「阿房列車」にあやかって、西へ東へディスカバー・ジャパン――。
行くなら冬、と思い立った網走番外地。旧正月ならぬ「旧の万博」、祭りのあとの大阪・千里。雲を見に、夕日を見に行く松江。心酔する百鬼園先生の古里、岡山・古京町……あの頃の日本が息づく大人の旅行記。雑誌連載中に急逝した内田百閒への追悼文「核心」を増補。〈解説〉宮脇俊三

[目次より]
精進落さず――伊勢
手鍋さげたり――長崎
白い墓地――網走
ととらく紀行――能登
留学事前――祇園
はずかしい旅――蒲原
うわの空旅――熊本
大阪さがし――大阪
とにかくハワイ――ホノルル・ラナイ島
牛歩随行――宇和島
おばこ、恙なきや――庄内
眩しかりけり――神戸
三景の末路――松島
わたしの城下町――松江・出雲
白い飛礫の――札幌
滾るまで――秋田
海内旅行――鹿児島航路
ああ名山――富士を見に行く
旅に病んで――高山
美しや毒の島――徳之島
百鬼園先生町内古地図――岡山
裸体写真撮影行――奥日光
北海わいん唄――池田町
細胞入替え旅行――ヤング京都
 解説 宮脇俊三
 巻末エッセイ「核心」

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

65
百鬼園先生の『阿房列車』に則り、付いた題名は『阿呆旅行』。こちらは列車に拘る事無く、日本各地を回った旅行記となっている。旅行記読むのは好きなのだが、それは旅自体への憧れもあるが、著者を通して自分も旅に同行している気分にもなるから。その意味では昭和後期の各地の様子と、著者を通して見た一行の行動、そして魅力的な同行者と、本作は旅行記として文句ない造りとなってる。百鬼園先生に私淑しているので、文体も彷彿させるし。著者は旅の途中で知人の訃報に触れる事が多く、その意味でも面白うてやがて哀しき、という言葉を思わせる。2021/10/23

雲をみるひと

29
内田百閒の阿房列車を意識した江國滋の旅エッセイ。鉄道利用限定ではないので、旅の目的地は内田百閒作品より拡がっている。同行者との掛け合いや内田百閒の死を含む時事ネタから話を発展させる手法のため、時代感がよくわかる。解説にもあるが文章の上手い作家でその点からも楽しめるし、旅本、70年代本としても楽しめる作品だと思う。2021/07/01

ニコ

15
昭和の旅エッセイ。流れるような軽妙な筆致の文章で日本全国行ったり来たりして楽しい。懐かしさや、逆に新鮮な感じが入り混じって、古き良き時代を感じる。これはどうやら隠れた名著。2021/05/09

Inzaghico

8
「三人旅は一人乞食」だけでなく、ときどきはっとするような表現が出てくる。旅先で内田百閒の訃報を知ったときは「我儘で贅沢で、繊細で狷介で。意地っ張りで弱虫の、お祖母さん子の糞じじい」と悪態の限りを尽くすが、その悪口からは敬愛の念が感じ取れる。網走刑務所で受刑者と職員の墓を見ながら、構内で人生を終わることに思いを致していたときに浮かんだ思いは、次の通り。「ここに立つ私も(中略)緩慢な死刑を宣告された実は人生の囚われ人にほかなるまい」。ちなみに、網走刑務所では囚人よりも職員のほうが死亡率が高かった。2021/07/23

スプリント

8
内田百閒を尊敬する著者が阿房列車に準えて書いた旅エッセイです。時代はかなり昔ですが古臭さは感じない文章はさすがです。2021/07/11

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