内容説明
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絵描き一家にシベリアンハスキーの子犬がやってきた。愛くるしくも一家をふりまわす子犬時代、成長したある日の突然の発作、そして末期ガンを宣告されて……。絵描きとして、その「死」から眼をそらさない決意をした著者が、風のように駆け抜けた5年の生活をスケッチと文章とで綴る――大人気グレイシリーズ三部作、合本により待望の復刊。
〈解説〉小川洋子
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
122
いせさんの書かれた絵本はいくつか読んでいるのですが、エッセイは初めてではないかと思います。シベリアンハスキーを飼われていたのですダメな犬ほどかわいいといいますがまさにその通りだと思います。それにしてもよく観察されてかなりな挿絵に書かれていて愉しませていただくとともに涙腺を緩ませていただきました。2019/10/14
ちゃちゃ
110
いせさん、そして私たち読者の心の中にも、グレイ(シベリアンハスキー犬)は生きている。振り返って「ね」と語りかけるような愛らしい仕草で。5年という短い生を、絵描き(著者)や大M(長女)・小M(次女)と喜怒哀楽をともにし病と闘いながら、もの言わぬ生き物と暮らす愛おしさを深く印象づけて。本作は『グレイがまってるから』『気分はおすわりの日』『グレイのしっぽ』を合本して復刊した作品。掛け替えのない命との悪戦苦闘の様がいせさんの柔らかな筆とスケッチで生き生きと描かれ涙なしには読めなかった。グレイお疲れ様、ありがとう。2019/11/08
ユメ
32
絵描き一家のもとへやってきたシベリアンハスキーのグレイ。ブルーグレーの色を愛する絵描きがこの名を付けた。絵描きのスケッチを眺めているうち、いつしかグレイが私の顔を「ね」と見上げていた。雪の似合うハスキー犬なのにグレイの存在はひだまりのようで、愛しさがこみあげる。「グレイがまってるから」と帰りを急いでいた絵描きは、病を得た犬を看病するうち、待っていたのは自分の方だと気付く。私の家にも動物の家族がいるから、その気持ちが痛いほどわかる。動物が見せるあの無上の信頼で輝く瞳を、私たちは待ちわび、頼っているのだ。2018/05/20
みなず
5
一気読み。号泣。私も昨年末から“みえない犬”と共にいる。お散歩コース、ドッグバギーでの通院コース、犬の好物、苦手なもの、あのしぐさ、あの声。あふれ出す想いに溺れたり、持て余したり。みえない犬の空白が大きすぎる。それなのに、日常を繰り返し、毎日を織りなす。2018/10/01
のん
4
旅先で原画展に行ってみました。モノクロの挿し絵にするには勿体ない、素敵な色使いの絵でした。この本は著作コーナーで見つけた一冊。ダメな犬ほど可愛いというか…犬を飼ったことのある人なら「あるある」と肯ける場面をふんわり優しいエッセイとスケッチで描かれています。そして辛い最期も目をそらすことなく描き続けるいせさん。絵描きの宿命とおっしゃるけど、犬への愛おしさが溢れています。たった5年しか生きられなかったけど幸せだったよねグレイ。みえない犬となってもどこかでゴルドベルグを聴いているかな。号泣のエッセイでした。2019/08/31
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