集英社新書<br> 世界の凋落を見つめて クロニクル2011-2020

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集英社新書
世界の凋落を見つめて クロニクル2011-2020

  • 著者名:四方田犬彦【著】
  • 価格 ¥1,056(本体¥960)
  • 集英社(2021/05発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087211689

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内容説明

東日本大震災・原発事故の2011年からコロナ禍の2020年まで、日本と世界が変容し、混乱した「激動の10年」に書き続けられた時事コラム集成。この間、著者はニューヨーク、ロンドン、パリ、北京、ソウル、香港、台北、キューバ、イスタンブール、リオデジャネイロ、サハラ以南のアフリカ諸国、そして緊急事態宣言下の東京など、様々な場所と視点から世界の変貌=凋落の風景を見つめた。私たちの生きる世界は、そして私たち人間は、どのように変わったのか。全99本のコラムが「激動の10年」を記録する!
【目次より抜粋】
原発を語らず/北京の変貌/吉本隆明さんの思い出/ハバナの三島由紀夫/誰がテロリストなのか/ザハ・ハディト問題/ゴダールのFacebook?/慰安婦と赦し/日本死ね/佐村河内守は詐欺師なのか/非常事態発令下のパリ/サハラ砂漠の南へ/〈1968〉から50年/香港の天安門事件追悼集会/ジョギングの社会階層/コロナウイルスの日々/感染者はケガレか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

103
四方田さんのエッセイというか時事評論のような感じの小論がまとめられたもので楽しめます。かなり辛口の部分もあるのですがその通りと言いたいことばかりが出てきます。もともと映画関連の講義を大学でされていたようですがここに書かれている時代は海外から日本人の様子を書いたものが多く閉鎖的な日本にあまりいたくないような感じがします。山本七平さんを思い出しました。2021/11/03

kaoru

67
著者の名を初めて知ったのは『ガロ』に掲載されたエッセイ。比較文学、映画・漫画評論など幅広い分野で活躍している才人。この本も辛口だが的を得た指摘が多く、乳癌で死去したジャーナリスト千葉敦子と現代のセレブの姿勢を比較し「Facebookが圧殺してしまったのは人間の孤独だ」と書く。電車の中でスマホをいじる若者を批判し、ジョギングする層に対し「村上春樹の新刊を買って読むような」万事に小心で几帳面な「意味不明の抽象表現を好む中産階級」と手厳しい。2011から2020年までのクロニクルなのでコロナ禍にも触れている。2021/07/12

Sam

38
著者との出会いはサブカルを鮮やかな手つきで分析した「漫画原論」。以来ポツポツと読み続けてきたが、本書は2011年から現在に至るまでの雑誌連載のコラムをまとめたもの。一つ一つはなんということのない旅行記だったり雑感だったりだが、この10年を俯瞰すれば世界は凋落し、人間は人間以下のものになりさがり、日本は相変わらず閉塞的で救いがないと憂いている。とはいえ吉本隆明が月島の自宅に遊びに来たときの話とか、ゴダールからFacebookで友だち申請が来てびっくりした話とか、ほのぼのしたエピソードもあったりする。2021/05/23

踊る猫

26
リベラルではない。保守でもない。もちろん、ネトウヨでもない。この著者はそうした単純なポジショニングで整理されることを良しとせず、いつも独特なスタンスから発言しているように感じられる。この本でもそれは変わらない。誰もが語れて行えそうな正義ではなく、その正義が押し流してしまう悪に共鳴し、その共鳴からテロリズムや中上健次を語る。果敢なスタンスに励まされ、孤軍奮闘している姿に私も勇気づけられた。全てのエッセイに私が共感を覚えたわけではない。しかし、学究肌の知識と行動するアクティブさを持つ彼ならではの見解が存在する2021/05/21

hasegawa noboru

12
本書の著者紹介の肩書には<映画誌・比較文学研究家。エッセイスト。詩人。>とある。幅広く多岐にわたる対象を論じて次から次へ本にしているという感がある、奇才の人。凡夫には追っかけかねる。<わたしが心がけてきたのは、なんとか人に尊敬されずに生きていくことだった。><言葉を自分の主人にしてはいけない><誰もが同じことを口にするこの世界にあって、たったひとり、異言を口にしようと試みてきた>というこの自由度は良い。この10年の日本と世界をめぐる情勢を概括して新たに書き下ろしたと思われるエッセイが秀逸。<暴力と不寛容が2021/06/15

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