企業に何十億ドルものバリュエーションが付く理由 ──企業価値評価における定性分析と定量分析

個数:1
紙書籍版価格
¥4,180
  • 電子書籍

企業に何十億ドルものバリュエーションが付く理由 ──企業価値評価における定性分析と定量分析

  • ISBN:9784775972359

ファイル: /

内容説明

企業価値評価に欠かせないストーリーと計算!一度も利益を上げたことのない企業が何十億ドルものバリュエーションを付けるのはどうしてなのだろうか。なぜ巨額の投資を得られるスタートアップ企業が存在するのか。ファイナンスの教授であり、投資家としても経験豊富なアスワス・ダモダランが、数字を肉づけし、用心深い投資家にもリスクをとらせ、企業価値を高めるストーリーの力について論じている。ビジネスの世界には、説得力あるストーリーを語るストーリーテラーと、有意義なモデルや会計数字を作り出す計算屋とが存在する。事業を成功させるにはどちらも欠かせない存在ではあるが、両者が組み合わさることで事業は大きな価値を生み出し、維持することができるのだとダモダランは主張する。本書ではさまざまなケーススタディを通じて、どのようにすればストーリーテラーが数字を見事に語り、また計算屋が綿密な調査にも耐え得る、より想像力に富んだモデルを構築できるかを記している。ダモダランはウーバーの登場を検証し、ストーリーがバリュエーションに違いが生まれる理由を理解する鍵となることを論じている。ツイッターやフェイスブックはなぜIPO(新規株式公開)で何十億ドルもの価値が付いたのか、またひとつ(ツイッター)は停滞し、もうひとつ(フェイスブック)は成長を続けるのはなぜかを検証している。また、ダモダランはアップルやアマゾンなど、より確立されたビジネスモデルにも目を向け、企業の歴史がストーリーを強化も制限もすることを示している。また、ブラジルの世界的鉱山会社であるヴァーレの例を通じて、外部のストーリーの影響、国家やコモディティならびに通貨がどのように企業のストーリーを形づくるかを示してもいる。本書は数字をめぐるストーリーの効果や問題点、そして危険性を明らかにするとともに、どうすればストーリーの妥当性を評価することができるのかを伝えるものである。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nekozuki

12
コーポレートファイナンスにおいて権威であるダモダランの著書。特にベンチャーによく見られる高いバリュエーションの正当性をその事業のストーリーから説明しようと試みる。企業又は投資家がどういったストーリーを前提としているかでバリュエーションは大きく変わりうるということがわかる。個人的には、挙げられてる要素の中でも市場に関する前提が特に重要だと思う。ベンチャー投資をする場合には、①本当にその市場があるのか②本当にそれだけの市場規模と捉えていいのか③計画通りのスピードで獲得できるのか等は注視する必要がある。2021/02/08

sab

1
定性的ストーリーと定量的データを用いた企業価値評価分析のアプローチは、ストーリーの比重の大きいスタートアップに殊更有効であるものの成熟企業にとっても無視できるものではない。ストーリーとは言わば企業のポジショニングと未来のビジネス像であり、それらを実現するためのアクションとその成果としての数値(あるいはその成果をもたらすであろう関連データ)の定期的観測によって評価する。ケーススタディを交えてくれるためイメージもし易く、中でもウーバーとリフトの一見同じアプローチの企業の自己規定の差異がわかりやすかった。2023/01/29

齋藤し郎

1
★★★☆☆ 定性的なストーリーを定量化して企業価値を算出する考え方を学べる。 赤字まみれの新興企業は、財務分析だけでは企業価値を算定しにくいため、その掲げる成長ストーリーや可能性を数値化して具体的価値に落とし込む。 理系と文系の両アプローチから切り込むというのがわかる本。2021/07/01

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/13079384
  • ご注意事項

最近チェックした商品